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週刊誌スクープ大賞

「書き出しはいいが、読後感はイマイチ……」元名物編集長が又吉直樹『火花』を斬る!

 さて、大企業・東芝が揺れている。田中久雄社長が辞任することになったが、現代は、田中氏に重大な疑惑ありと報じている。

 田中社長が会見で語った内容を要約すれば、全社的に不適切な会計処理が行われていたから、会社のトップとして責任を取って辞任するが、自分は不正に手を染めたという認識はない。田中社長は、そんな自己弁護を会見で言い続けたのである。

 現代によれば、それは巨額の損害賠償訴訟に備えて今から「自分は無実」と予防線を張っていたに違いないというのである。

 今後、東芝経営陣は2種類の損害賠償請求訴訟を提訴される可能性があるという。1つは、有価証券報告書に虚偽記載がされていたために株価が下落し損害を被ったとして、株主が会社や経営陣に損害賠償を求めるというもの。

 もう1つが株主代表訴訟。こちらは、会社に与えた損害を会社側が経営陣に請求しない場合、株主が代わりに損害賠償請求を提訴するもの。

 しかし現代によると、田中社長は今回の不正会計問題が公になる前に、自らが所有する自宅マンションの所有権を移転しているというのだ。

「田中氏が横浜市内の自宅マンションを贈与という形で所有権移転したのは、今年3月7日のこと。97年に新築で購入した、約70平米の部屋である」(現代)

 贈与相手は、この部屋に田中氏とともに住む田中姓の女性であるというから、贈与相手は妻と見るのが自然であろう。

 SESC(証券等取引監視委員会)の指摘を受けて、東芝は社内で自己調査を開始したが、そんな最中に田中氏は自宅マンションを贈与していたことになるのだ。

 第三者委員会の上田廣一氏は元東京高検検事長。その彼が、

「日本を代表する大手の会社がこんなことを組織的にやっていたということに衝撃を受けた」

と、記者会見で慨嘆した。経済ジャーナリストの町田徹氏はこう難じている。

「検察が出ていって、この粉飾に落とし前をつける。刑事責任を追及すべきです。東芝がナマぬるい処分で終われば、国策企業は守られるということになるので問題です。刑事責任を追及すべきは、退任を発表した歴代3社長だけではありません。組織的な粉飾を行っていたわけですから、粉飾に関わった部長以上、執行役員、カンパニー社長まで全員を対象にすべきです」

 膿をどこまで出せるかが、今後の東芝を占う上で試金石になるはずだ。

 さて、今週の第1位はポストの「安倍首相 vs 天皇」の記事。

 8月に出される戦後70年の区切りの安倍首相の「談話」だが、6月下旬には首相自らが戦後70年談話を閣議決定しない方針を明らかにした。戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話は閣議決定され、8月15日に発表されたのにである。

 ポストは、安倍首相は何かを恐れている。それは安倍談話を覆しかねない「もう一つの戦後70年談話」なのだというのだ。

 安倍首相が歴史認識の転換を行う内容の70年談話を出した場合、全国戦没者追悼式とは別に、天皇の特別な「戦後70年のお言葉」が発表されるという情報が流れているというのだ。

 自民党幹部がこう語る。

「終戦記念日に陛下が先の大戦についてメッセージをお出しになるのではないかという情報は5月頃から流れている。陛下は先帝(昭和天皇)から、先の大戦で軍部の独走を阻止できなかった無念の思いや多大な戦死者と民間人犠牲者を出したことへのつらいお気持ちを受け継がれている。万が一、お言葉の中で首相談話から省いたアジア諸国の戦争被害に対する思いが述べられれば、安倍首相は国際的、国内的に体面を失うだけでは済まない」

 今年の1月には、新年の「ご感想」で、軍部独走のきっかけとなった「満州事変」を上げて、「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」と語り、4月には、体調不良を押して日米の激戦の舞台となったパラオを訪問している。

 ポストによれば、特に官邸を仰天させたのは、6月3日に国賓として来日したアキノ・フィリピン大統領の宮中晩餐会で天皇が述べた次の「お言葉」だったという。

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