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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > グーグルに残った過去は消せる?
週刊誌スクープ大賞

“過去”が表示されるのは人格権の侵害!? グーグルに「検索結果の削除」要請が急増中!

 ところで、国会を包囲した数万の民の声に怯えたのか、安倍首相は2520億円にまで膨らんだ新国立競技場の計画を全面的に見直すと言い出した。

 当然であろう。文春はこの問題を巻頭で取り上げているが、文春のメールマガジンの読者にこの問題についてアンケートを実施したところ、実に86.7%が「NO」と声を挙げたという。

 何しろ、財源として決まっているのはスポーツ振興くじ(toto)などを合わせたわずかに626億円だけである。そのほかに「命名権」を売って当てるという話もあるそうだが、それでも200億円程度の話である。あとは税金で賄うというのだから、国民が怒るのは当然である。

 それもこれも、デザインは大胆・斬新だが、建つことがないといわれるザハ・ハディド氏のものを採用した安藤忠雄氏と、五輪の前の年にラクビーW杯をやるために新国立をゴリ押しした森喜朗元総理の責任が大きい。

 特に、現職時代「ノミの心臓サメの脳みそ」と評された「偉大なる小者」森氏が一番悪いと文春は名指ししている。

 遅まきながら安藤氏は7月16日に記者会見を開き「2520億円になった理由は私も聞きたい。総理大臣じゃないので、私が決めたわけではない。都民の1人として下がらないかなと思う」(asahi.comより)と言ったという。これまた無責任な発言である。

 この不透明な予算のうち、何%かが森氏の懐へ入っているのじゃあるまいな。政府は総工費を1600億円程度に減額する方向で検討に入り、巨大アーチをなくすことや別のデザインに変更することなどが候補に挙がっているようだ。

 私はそれでも高すぎると思う。当初予算の1300億円ぐらいまで圧縮するべきである。

 だが、世論の反対が強いから見直すのだったら、はるかに世論の反発が強い安保法制の強行採決も見直し、撤回するのが筋であろう。

 保守派雑誌の文春、新潮がこの問題に異を唱えないのは仕方ないが、現代、ポストまで沈黙して反対の声を挙げないのはどうしたことだろう。女性自身や週刊女性のほうが積極的にこの法案へ反対する誌面づくりをしている。

「美智子さま〈次世代への〉伝言と戦争への危機感 安保法制とブラック国家ニッポン 米軍のために病院から締め出される日 トンデモ法がやって来る!」(週刊女性)、「シリーズ人間/SEALDs 『安倍政権、やっぱNOでしょ!』」(女性自身)

 一般男性週刊誌は恥ずかしくないのか。

 新潮は、日本を代表するトップ企業「東芝」が不正会計問題で揺れていることを取り上げ、この裏には公家商法を一変させた「強烈相談役」の存在が大きいと指摘している。

 2014年3月期決算時点で売上高6兆5000億円、社員数約20万人。日立は「野武士」と言われ、ハイソでエスタブリッシュメントの印象が強かった東芝だったが、2月に証券等監視委員会への「タレこみ」で公家商法の実態が明るみに出てきたのだ。

 最初、田中久雄社長は「500億円の不正会計が見つかったが、事務的なミス」といっていたが、とんでもなかった。1500億円、2000億円と雪だるま式に膨れ上がっていき、幅広い事業で不正会計が行われていた可能性が高く、しかもこれは全社的に行われていた「慣行」だったと第三者委員会は見ているようだ。

 おっとりした公家集団を数字至上主義に一変させたのは、西田厚聰元社長・現相談役だと新潮は名指しする。西田氏は大学を出た後、イラン人女性と結婚して移住し、現地企業と東芝の合弁会社に就職。31歳で本社に引き上げられたという一風変わった経歴の持ち主。入社後、90年代にダイナブックを普及させ、その功績で社長になった。「数字の鬼」といわれていたそうである。

 西田氏は儲かる事業に特化することで売り上げを伸ばし、特に半導体と原発に収斂する経営を進めた。だが、リーマンショックや原発事故が起きたため、西田氏の後を継いだ佐々木則夫社長(当時)は原発事業を維持しようと無理をして、下に「なんとかしろ」と号令を掛け、次の田中現社長もその方針を引き継いだ結果、「ノルマ絶対主義」がまかり通り2000億円の巨額な不正につながったのではないかというのである。

 オリンパスの粉飾決算を暴いたジャーナリストの山口義正氏は、第三者委員会の委員長は元東京高検検事長だから、調査した詳細情報が東京地検特捜部に伝わっていて、有価証券報告書の虚偽記載などで刑事事件に発展する可能性もあると指摘する。

 田中社長は辞任するが、積年の膿を出し切らないと東芝の再生は難しいだろう。アベノミクスの狂騒が終焉した後にはユニクロや東芝の残骸がゴロゴロということになりはしないか。政治も経済もより不確定な時代に入ったことは間違いない。

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