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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「iPhone脱獄」は違法なのか?
ITライター柳谷智宣の「賢いネットの歩き方」第73回

超便利機能やゲームのチートが使える! 日本で嫌われる“iPhone脱獄”は違法なのか?

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 iPhoneはAndroidやPCと異なり、ユーザーがシステムをいじることができない。そのため、アップルが許可しない機能は一切利用できないのだ。もちろん初心者保護のため、直感的に操作できるようにするためには重要なポイントだ。しかし、デジタルに詳しいユーザーにとってはちょっと物足りないところもある。とはいえ、必要は発明の母と言う通り、ジェイルブレイクというものが登場した。iPhoneのシステムを自由にいじれるようにするプログラムのことで、日本語に訳して「脱獄」とも呼ばれている。

 もちろん、アップルは脱獄を許可していない。2009年には、アメリカで著作権法違反ということで裁判も起こした。しかし、判決は合法というものだった。日本では今のところ裁判は行われていないので、グレーゾーンという扱いだ。ちなみに、現在のアメリカでは通信キャリアによるSIMロックの解除やiPadなどのタブレット端末の脱獄は違法なので覚えておこう。

 脱獄に関する情報はネットに多数出回っており、脱獄ツールも無料でゲットできる。今ではさまざまなバージョンのiOS端末を脱獄させられるようになった。しかし、なぜか日本のネットでは、思いっきり叩かれている。前出のように違法ではないのだが、アップルが禁止していることからそう思い込み、「犯罪者」呼ばわりされる。脱獄すると便利だよ、といった書き込みに対しては、「貧乏人」「ガキ」「Android買えよ」といった罵詈雑言が殺到する。実際、日本で脱獄している人は少ない。ジェイルブレイクの情報を扱う海外サイトでは、ジェイルブレイクされた端末の割合を公開しているが、グラフに入っている15カ国の中で、日本はダントツの最下位、3%ほどとなっているのだ。

 筆者は仕事柄、不要になった古い端末を脱獄させて、いろいろなツールを触ってはいる。確かに超絶便利なアプリも多数公開されており、感心させられる。しかし、メイン端末を脱獄させるつもりはさらさらない。デメリットが大きすぎるためだ。まず、当たり前だが、何かあった時にアップルのサポートを受けられなくなる。もともとが規約違反の行為なので、脱獄時やその後の脱獄アプリをインストールするときにウイルスやマルウェアを取り込んでしまう可能性も十分に考えられる。トラブルの時は自分で調べて対応するしかないが、最新情報は英語のみの上、情報量が乏しいのがネック。脱獄はハイリスク・ローリターンと感じている。その視点から「脱獄する必要はない」という意見には同意できる。

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