踊る授業シリーズは壮大な前フリ……異色のダンスチーム「エグスプロージョン」のブレークはダンス界の夜明けぜよ!?
#インタビュー
■『チャンプル』後の浮き沈み期を経て……
――ブレークには、一方で「一発屋」と呼ばれかねない怖さもあると思いますが、そのことに関してはどう思われますか?
まちゃあき 僕らの根本はやっぱりダンサーなので、たとえ「本能寺の変」がドカンといってその後急にしぼんだとしても、ほかのアプローチがあるんですよ。授業シリーズは引き出しの中のひとつにすぎませんから。だから、逆に一発屋であったらいいなと思います。
おばら そうじゃないと、それ系のネタにばっかり引っ張られちゃいますからね。僕らはライブツアーを主として活動していて、そもそもYouTubeをやり始めたのもツアーの集客につなげたいからだったんですよ。「本能寺の変」は、その役割を十分に果たしてくれたと思います。
まちゃあき 芸人さんなら「あのネタを超えるものを作らないと」っていうプレッシャーがあるのかもしれません。僕らはありがたいことに、『チャンプル』時代にその経験をさせてもらったんですよ。代表的なネタがあって、それをどうしても超えられない。あのときは本当に病んだよな。
おばら どんなもの作っても、ダメって思っちゃう。あのネタは超えられないって。
まちゃあき 今こうして取り上げてもらえるのは、僕らにとっては「ふた山目」なんです。かつていい時期があって、落ちて、そして今。その浮き沈みがあったから、意外とどっしりいられるんです。「絶対消えるだろ」って言われても「そうでしょうね」って。
おばら 実際、消えてましたし(笑)。
――すみません、先ほどから完全に「芸人」さんとしてお話しされていますが(笑)、そもそもダンサーでよしもと所属は珍しいのではないかと。
まちゃあき 自分たちは、芸能界という“オーバーグラウンド”で勝負できるタレントになりたいという気持ちはずっとありました。『チャンプル』時代には、ありがたいことにたくさんのイベントに出させてもらって、芸人さんやタレントさんたちと共演する機会もたくさんあったのですが、どうしてもダンサーは一段低く扱われてしまう。それがちょっと悔しかったんですよね。面白いダンサーだってたくさんいるのに、言葉悪いですけど、踊ってればいいじゃん、踊ったらポイ捨て、みたいな。それを変えるには、自分らのエンタテインメントの幅をもっと広げないとと思いました。しゃべりはもちろん、面白さも演技力も。ちょうどそんな時期に事務所がなくなってしまって、そこで以前からつながりがあったよしもとさんに声をかけてもらったんです。
おばら 学びたかったもののすべてが、よしもとにあったんですよ。ダンス関係、音楽関係のだけの事務所だったら絶対にできないことをやらせてもらえる。芸人さんと一緒にトークライブを作るとか。ダンサーとして固まっていた脳みそをほぐしてくれた気がします。
――芸人さんと交流することも増えましたか?
まちゃあき かなり増えました。でも、最初は難しかったですね。僕らはよしもと入ってすごくうれしいけど、芸人さんの中にはよく思ってない人もいるんじゃないかって怖さもありましたし。
おばら 一緒にライブをやらせてもらったりしながら、段々と僕らのことをわかってもらえるようになったと思います。「関ヶ原の戦い」の最後の「ちょうどええ」も2丁拳銃さんに直接お願いしました。使ってもいいでしょうかと。
まちゃあき 笑いながら「ええに決まっとるやないか」って言ってくれましたけど。今じゃ「よしもとを一番うまく使ってるダンサー」って言われております(笑)。
――中学校の授業にダンスが取り入れられたり、子どもたちの将来の夢で「ダンサー」と答える子が増えたり、日本のダンス文化もだいぶ変化してきたのではないでしょうか。
まちゃあき エグザイル兄さんをはじめとした偉大な諸先輩方が土壌を作ってくださって、その上に僕ら若手は……若手でもないんですけど、踊らせてもらってるだけなんですよね。だから、僕らは僕らなりのフィルターを通して、フィル、フィルターで合ってる?(小声)
おばら 急に声小っちゃくなったな。大丈夫だよフィルターだよ。
まちゃあき 相方~
――フィルターを通して(笑)
まちゃあき 僕らのフィルターを通して、ダンスの面白さを伝えていきたいです。僕らみたいなダンスが好きだっていう子たちもいると思うから。
おばら 表現が正しいかわかりませんが、おバカなダンサーが増えたらいいなとは思います。もっともっといろいろな人がいていいんですよ。日本には素晴らしいダンサーがたくさんいるのに、就職を理由に大半の人がやめてしまう。もったいないなと思います。
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