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MERS拡散、Galaxy S6不調……泣きっ面に蜂のサムスンが、いよいよピンチ!?

samsung0704.jpgサムスン電子本社(「Wikipedia」より/Roakr)

 韓国一の財閥グループ、サムスンがMERS(中東呼吸器症候群)で苦しんでいる。7月3日、韓国中央MERS管理対策本部によると、サムスンソウル病院の看護師がMERSに感染していることが判明。これで韓国のMERS感染者は計184人に増えたことになり、韓国のMERS終息にブレーキがかかっているのが現状だ。


サムスンソウル病院は院内感染防止策が穴だらけで、いまやMERS感染を広げる“拡散地”と揶揄されている。同病院からは89人の感染者が出ており、そのうち医者や看護師など病院関係の感染者は14人に上った。今回発覚した184番目の感染者は24歳の女性で、サムスンソウル病院でMERS感染者を看護する過程で自らも感染したと推測されている。

 サムスンといえばスマートフォンや半導体が有名だが、韓国一の財閥グループであるだけに、その事業は手広い。韓国最大の保険会社であるサムスン生命、ホテル関連事業、さらに病院事業も手がけている。

 振り返れば6月23日、サムスン電子イ・ゴンヒ会長の長男で、後継者と目されるイ・ジェヨン副会長は記者会見を開き、「私たちのサムスンソウル病院が国民のみなさんにあまりに大きな苦痛と心配をかけました」と頭を下げて謝罪している。サムスングループのオーナー家の謝罪は、ゴンヒ会長が政界への賄賂などの疑いから強制捜査を受け、会長職から退いた2008年4月以来、7年ぶりの大ごとだ(10年3月に復帰)。にもかかわらず、その直後に同病院から再び新たな感染者が発見されたのだから、面目次第もないだろう。

 MERS拡散という想定外の事態に苦しむサムスンに、さらなる追い打ちが。韓国の金融投資会社「HMC投資証券」は7月3日、全体的な需要が不振としてサムスン電子の目標株価を下げた。HMC投資証券の研究員は、「Galaxy S6の出荷量も需要鈍化で、従来の予想値(1,700万台)を下回るだろう」と話している。そして「サムスン電子の第2四半期の売り上げと営業利益は、それぞれ予想値から3.5%、4.3%下げた額に変更される」と指摘した。Galaxy S6の売れ行き不振を受けて、小型電池事業を担っているサムスンSDI社の第2四半期売り上げ額は、前年同期比マイナス7.3%、営業利益は38.8%も減少するとされている。世界のスマホ市場で伸び悩みを見せているサムスンにとって、Galaxy S6にかける思いが強かったのは日本でも知られるところ。しかし、その希望は、どうやら空振りに終わってしまいそうだ。

 MERS拡散、そしてGalaxy S6の不調と、このところまったくいいところがないサムスン。韓国一の財閥グループのつまずきだけに、経済に与える影響も少なくない。一時は“巨人”ともてはやされたサムスンが、再び立ち上がる日は来るのだろうか?

最終更新:2016/01/27 13:51
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