『アベンジャーズ』はスーパーヒーローじゃない? 配給会社が発した“NGワード”をめぐる小さな波紋
#映画 #マスコミ
7月に公開される1本の映画をめぐって、ちょっとした騒ぎが起きている。問題となっているのは、ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給の超大作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』。アメコミ界のスーパーヒーローたちが結集した前作『アベンジャーズ』(2012年)は世界興収15億ドル突破、日本だけでも劇場興収36.1億円を稼いだ大ヒット作だが、その“続編”の宣伝方法をめぐって、雑誌媒体側から不満の声が上がっているのだ。
ことの発端となったのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のパブリシティを請け負っている宣伝会社が雑誌媒体や映画ライターらに向けてメール送信したプレスリリース。「ご紹介&注意ポイント」と題されたそのリリースには、
・『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は感動のアクション超大作
・アイアンマンを中心にした露出
・女性キャラクターを目立たせる
・続編売りしない、過去の関連作品とも必要以上に関連づけない
・スーパーヒーロー、アメコミはNGワード
といった注意項目が箇条書きされている。各注意項目には、さらに「ハルクのビジュアルを全面に出す露出はNG」など細かい規定が書かれ、誌面づくりの方向性にまで言及している。このリリースの内容に従えば、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』はアメコミ原作ではなく、スーパーヒーローものでもないことになってしまう。この強引とも言える宣伝方法に抵抗を感じている雑誌編集者やライターは少なくない。
「超人ハルク、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソーらそれぞれアメコミ作品で独自に活躍し、映画にも単独で主演しているスーパーヒーローたちが一堂に会して戦うのが、『アベンジャーズ』シリーズの最大の魅力。それなのに、作品本来の面白さを否定したようなネガティブな宣伝の仕方はどうかと思います。しかも、作品の本質を歪めるような誌面を作ることを媒体側に強要していることには、憤りを覚えます。前作の『アベンジャーズ』は“日本よ、これが映画だ”と映画ファンがワクワクするような秀逸なコピーでしたが、今回は“愛を知る全人類に捧ぐ。”いわゆる女性や若年層の動員を狙った“愛”売り。これでは、前作に熱中したファンは恥ずかしくて劇場に足を運べませんよ」(雑誌編集者)
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