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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > テレ東「素人密着番組」が面白いワケ
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第96回

シングルマザー、占い師、女装家……テレ東『家、ついて行ってイイですか?』で描かれる人生劇場

 たとえば、6歳の子どもを亡くしたエピソードだけでは、こんなに心を揺さぶられないだろう。普段の明るく楽しい姿を最初に見ているから、その人の思わぬ人生にハッとする。

 別の回では、シングルマザーのキャバクラ嬢にも密着していた。21歳で夜の仕事で家計をやりくりしつつ、子育てや家事に奮闘していた。スタッフが「周りで遊んでいる21歳の子たちがうらやましくならないですか?」と尋ねると、彼女は即答した。

「自慢したいくらい」

 思えば、この番組はたいていの場合、酔っ払った姿からスタートする。いわば、その人が最もチャラい部分だ。「なんだ、こいつ。だらしない奴だな」と眉をひそめるような感覚から見始めるのだ。しかし、家について行ってみると、その人の悩みだとか、葛藤だとか、夢など真面目な核の部分が垣間見える。その振れ幅に、心が揺さぶられるのだ。そこにあるのは「共感」とはまた少し違う、言ってみれば「他者」の“発見”だ。いま目の前で「気に食わない奴」とか「ダメな奴」なんて思っている人にも、思いもよならない人生があったりする。そんな当たり前のことを、リアルに想像させてくれる番組なのだ。

 ちなみに7月3日(金)にも、「美女たちの家SP」と題された特番がゴールデンで放送されるとのこと。ぜひご覧頂きたい。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:48
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