「中国で働いたほうが稼げる?」問題山積みの外国人技能実習制度、儲かるのは仲介者だけ!?
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「実習生に対する最低賃金の全国平均は、昨年9月の段階では時給780円で、生活費などを引くと実習生の手元に残るのは、年間平均して100~150万円ほどです。実習期間は最大で3年ですが、それを満了した場合、中国側の仲介者である送り出し機関に支払う支度金、100~160万円を差し引いても、300万円ほどを持ち帰れる計算となります。しかし、円安人民元高が進んだことで、人民元換算の価値は3年前に比べて4割近く目減りしている。また、中国の平均給与も上昇していることから、『こんなことなら、中国で働いておけばよかった』と後悔している実習生も多い。数カ月間を実習生の教育に費やし、やっと戦力になると思ったら途中帰国されてしまっては、受け入れ先にとって損失。さらに、帰国しないとしてもやる気を喪失してしまう実習生も多く、深刻な問題となっています」(同)
受け入れ先に対し、「外国人実習生を安価な労働力と見なしている」という批判が向けられることもしばしば。しかしこの男性によれば、「実習生が受け取る賃金が時給700~800円であっても、実習生受け入れまでに必要な諸費用を含めると、受け入れ先の負担としては実質時給1,000円くらいになる。それに加え、実習生をつなぎ留めるため、国の家族と連絡が取りやすいようにネット環境を無料で提供したり、毎月一度郊外から市内へ焼き肉の食べ放題に連れて行ったり、実習生が誕生日の時にはケーキを用意したりする受け入れ先まである」(同)という。
中国人実習生にも日本の受け入れ先にも難点の多い同制度だが、「約200ある中国側の送り出し機関の利益は、実習生1人当たり40~60万円とホクホク。賄賂を受け取って実習生を採用しているところもあると聞く」と男性。本来、なんのための制度なのか、再考が迫られている。
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