「こんなモノいらない!?」“予算2,500億円”新国立競技場キテレツデザインの迷走っぷり
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さて、東京五輪の目玉である新国立競技場建設に赤信号が点り始め、IOCも危惧を表明する事態になっている。すでに建築家の槇文彦氏が会見を開いて計画の見直しを唱え、波紋は大きく広がってきている。
新潮は「昆虫のように伸びたスロープがJR線の上をまたいでおり、また高さも制限をオーバーするなど、公募条件から大きく逸脱していた」(新国立コンペの審査員の一人)、ザハ女史のデザインを、委員長権限で採用した安藤忠雄氏にも「罪」があると批判している。これが今週の第1位。
何しろ、この奇天烈なものをデザイン通りに建設すると予算は2,500億円を越え、工期も間に合わないと言われているのだ。
五輪の1年前にラグビーW杯が行われるが、その会場として使うためには、デザインを縮小して屋根つきでないものにしないと間に合わないそうである。
このザハ女史はSF映画のような現実離れしたデザインが多く、「『建てた建物より実現しなかったプロジェクトの方が有名』『アンビルト(建築されない)の女王』などと言われていました」(建築ジャーナリスト)
その上、今回のコンペでも神宮外苑を下見するでもなく、よって環境との調和などを考慮した形跡は微塵もないそうだ。
五輪のメイン会場の建設費はアテネが約300億円、北京でも約650億円、ロンドンは約700億円というから、新国立の建設費がいかにバカ高いかがわかる。
当然、なぜこのようなデザインを選んだのか、東京都民だけではなく国民に対しての説明責任が安藤氏にはあるはずだ。だが、新潮の取材にこう答えている。
「問題点を並べ立てると、『いいから、来んといてくれや。はい、さいなら……。ええ加減にせえや! もう帰れよ!』」
これを読む限り、世界的な建築家であり、日本を代表する知性をお持ちの方とはとても思えない。昔、日本テレビで大橋巨泉氏が『こんなモノいらない!?』という番組をやっていたが、そう言いたくなる、新国立競技場をめぐる迷走ぶりである。
(文=元木昌彦)
週刊誌スクープ大賞
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