生ビールサーバーから子ども用プールまで! サービス満点「大阪の銭湯」をめぐる
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
東京から大阪へ引っ越して1年近くになるが、生活してみてたびたび感じるのが過剰といえるほどの銭湯のサービスの良さである。
ふらっと入ってみると、やたらお風呂の種類が多い。電気風呂にうたせ湯、ジェット風呂に薬草風呂。露天風呂がある銭湯も少なくない。どこも、それほど広いとはいえないスペースを効率的に使いながら、工夫してたくさんのお風呂を用意している感じだ。
また、休憩スペースに飲み物や食べ物が充実している銭湯も多く見かける。生ビールサーバーを置いている銭湯はザラにあるし、おつまみや軽食などが販売されていて、ほとんど居酒屋のようになっているところもある。
それらがみな「スーパー銭湯」ではなく、あくまで通常の銭湯料金で堪能できるのだ。今回は、そんな大阪のサービス満点銭湯を代表するような浴場を3カ所めぐってみた。
最初にやってきたのは、大阪市生野区にある「ニュー清滝温泉」。ちなみに大阪では通常の銭湯の屋号に「温泉」が付くことが多い。JR環状線の桃谷駅から徒歩10分ほどでたどり着いた。
看板によれば、電気風呂、超音波風呂、露天風呂など11のお風呂があるようだ。特別に許可をいただき、浴場内を見せていただく。男湯に入ると、向かって右手にカランが並び、左側には各種のお風呂が。
気泡風呂、椅子風呂、寝風呂などが並ぶ。
奥へ進むと左手にサウナ、正面の水風呂には滝が流れている。右の「マイナスイオン」と書いてあるのはラドン温泉のようなもので、高濃度のマイナスイオンをたっぷり浴びることができるそうである。
一番人気は露天風呂。
またがずに入れる本格的な造りも、人気の秘密だとか。
ニュー清滝温泉は、30年前に改築して以来、このスタイルで営業を続けているとのこと。お湯はすべて電気で沸かしており、30年前にその設備を導入するためには数千万という工事費がかかったそうである。銭湯にサウナが併設されている場合、サウナのみ別料金がかかるところが多いが、ここはなんと無料。ご主人にその理由を尋ねると「この辺りでは、サウナが無料のところが多いんでね」というシンプルなお答え。
風呂数の多さに、インターネット上ではよく間違って「スーパー銭湯」にくくられることもあるほどの充実ぶりだが、「特にサービスしているというわけでなく、お客さんに喜ばれる形にしようと思って……」と、謙虚に語る。30年前、生野区には95軒もの銭湯があったが、今は半減しているそう。この規模の銭湯も、この辺りでは珍しいものになりつつあるようだ。キレイなお花が飾られている清潔で明るい雰囲気のロビーなど、隅々に気遣いが感じられる素晴らしい銭湯だった。
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