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マスクバカ売れ、繁華街はガラガラ、海外避難組まで……韓国「MERSショック」現地レポ

 さらには、外に出ないだけでは安心できないという“MERS避難民”まで登場。ブログやSNSでは、長期休暇を取って子どもたちを連れて田舎に帰ったり、当分の間、海外に滞在することにした人たちの報告があふれる。すでに休校している学校も多いが、10代の患者も出たということで、保護者たちは夏休みの繰り上げを要求。昨年のセウォル号転覆事故の影響で全面中止された修学旅行は、今年もやはり禁止になった。

 盛り上がっていた韓国プロ野球も、大ダメージを受けている。筆者が暮らす釜山は、韓国で最も熱狂的なファンが多いロッテ・ジャイアンツの本拠地であり、ホームスタジアムである社稷野球場は連日満員を記録していたが、すっかりガラガラ状態。先日も試合を見に行ったが、数少ない観客がまばらに座って試合を眺めていたほど。こうした光景は釜山だけではなく、全国の野球場で、今シーズン観衆動員数ワースト記録を更新中である。

 また、韓国は熱心なクリスチャンが多いことでも有名だが、教会では日曜の定期礼拝に空席が続出。ある信者は「散々悩んだ挙げ句、出席することにした」と言ってマスクを着けたまま礼拝に参加していた。多くの教会では事態を考慮し、インターネットで礼拝のライブ中継を実施。MERSが信仰心を揺るがしかねないという、笑えない状態なのである。

 セウォル号転覆事故に続き、今年はMERSショックが起き、もはや厄災ノイローゼとなっている韓国。政府がこの事態をどう解決するのか、注目したいところだ。
(取材・文=李ハナ)

最終更新:2016/01/28 13:14
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