“禁煙大国”北京で「最強禁煙条例」施行も、レストラン&喫煙者はどっちらけ!
#中国 #東アジアニュース
「北京市内の至るところに、通報用の電話番号を書いた紙が貼られており、当局の気合を感じますね。ただし、路上喫煙する人は相変わらず多く、一般市民もあまり注意して見ていません。飲食業界では、すでに20店舗近くのレストランが禁煙条例違反で指導を受けたと聞いていますが、条例に従っている飲食店はほとんどありませんよ。中国のレストランは個室も多いので、そこに入ってしまえばわからないし、店側も黙認です。ただ店側は、当局の要請で灰皿はすべて撤去しているので、吸い殻は床に捨てたり、コップの中に入れています。そのため、逆に汚くなった店もありますよ(苦笑)」
「上に政策あれば、下に対策あり」とは、まさにこのことか。「北京晩報」によると、記者が市内のいくつかの飲食店に客として訪れ、店員にタバコを吸っていいか聞いたところ、すべての店で喫煙が可能だった。店員に禁煙条例について聞いたところ、ほとんどの店員が条例自体を知らないと答えた。一方で、北京市内の有名高級レストランのオーナーは「条例違反となれば、店側は罰金1万元(約20万円)だから大変」とに語ったという。
北京市内に住む日本人商社マンが懸念するのは、トラブルの急増だ。
「北京は中国全土からお上りさんや出稼ぎ労働者が来ますからね。安い白酒で悪酔いした農民工に『禁煙です』と言っても、通じるとは思えない。条例施行前の話ですが、ある禁煙レストランで電子タバコを吸っていた若者を店員が何度も注意していたら、酔っていたこともあり、椅子を投げ飛ばすほどの大乱闘に発展。横に座っていた私にも食べ物が降りかかってきて、とんだ災難でしたよ。私は絶対こうしたトラブルが増えると思います」
条例自体、まだ市民に浸透していないため、今後も違反者が続出すると思われる。果たして、中国の喫煙者はどこまで減るのだろうか?
(取材・文/青山大樹)
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