「すっとんきょうなことを言わなきゃダメ」『ワイドナショー』に見る、松本人志の時事大喜利
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それはやはり、「松本人志がいる」からこそ集められたものだろう。「『うちの親戚の兄ちゃん面白いやろ!』って感覚」で松本が熱望した、みうらじゅんの起用は象徴的だ。そんな中から、古市 vs 長嶋一茂などという思わぬ名勝負が生まれてくるから面白い。それをさばく(フリして煽る)MC・東野幸治の手腕も見事だ。また「サッカー専門家」として登場している前園真聖が不祥事から“復活”を果たしたのも、松本の功績が大きい。
現在、『ワイドナショー』に限らず、「ワイドショー」形式の情報番組は数多く放送されている。『ワイドナショー』の裏でも、爆笑問題の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に加え、4月からはヒロミがMCの『美女たちの日曜日』(テレビ朝日系)も始まった。平日には各局が競い合うように、生のワイドショーを放送している。それらのコメンテーターは、『白熱ライブ ビビット』(TBS系)には大久保佳代子、千原ジュニア、ヒロミ、オリエンタルラジオ中田敦彦。『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ系)にはマキタスポーツ、カンニング竹山、土田晃之、川島明らといったように、お笑い芸人が数多く起用されている。それはもちろん、親近感やトーク技術を見込まれてのものだろう。
だが、「芸人」としてコメンテーターをまっとうするのは、なかなか難しいものだ。深刻な話題でボケたりするのはもちろん、少し角度をつけたコメントをするだけで「不謹慎」などと言われてしまう。かといって、真面目なことばかり言っていれば、「芸人のくせに」などと揶揄されてしまう。いわば、芸人にとって「ワイドショー」は、初めから“負け戦”に挑むようなものだ。
そのことは、松本も『ワイドナショー』の中で語っている。「制限がある中で何を言っても当たり障りなくなっちゃうし、踏み越えちゃうと炎上しちゃう」「長い物に巻かれろ的なことを言おうとしたら、非常に簡単なんですけど、やっぱり波風立たせないといけない。でも、(波風)立たせた分、なんかきますよね」と。
それでも松本は、「すっとんきょうなこと」を言わなくちゃいけないという。お笑い芸人なのだから、違う角度でモノを見て、それが仮に「すっとんきょう」に見えたとしても、それを言わなければならないのだ。
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