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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 今井雅之さん、肋骨骨折中も…

“男気”の人だった故・今井雅之さん「肋骨骨折中にも、ノーギャラで講演会を……」

thewindsofgod030s2.jpg『THE WINDS OF GOD オフィシャルサイト』より

「とても男気のある人でした」

 先月28日、54歳で亡くなった今井雅之さんは俳優業の傍ら、各地で講演をしていた。7年前に沖縄で講演を聞いた当時、高校生だった男性(24)は「今井さんに出会って、ああいう男気のある男になりたいって強く思った」という。

 その講演は不登校の生徒を勇気づけるもので、男性も不登校中だったというが、その心を打ったのは話の中身以上に、今井さんの振る舞いだった。


「今井さんは、今の教育制度も悪いんだって、生徒たちだけの問題でないと話していたんですけど、後援を手伝っている人に聞いたら『今井さんはボランティアでやっていて、交通費も自腹で来ている』というんです。聴衆は50人ぐらいと小規模なのに、嫌な顔ひとつせず来られていて、しかも二次会の場に行ってみたら、そこにも来てくれていたんです」

 男性を驚かせたのは、今井さんが同時進行していた舞台稽古で肋骨を骨折中だったことだ。

「後援のお礼を伝えに行ったとき、今井さんは座っていたところわざわざ立ち上がってくれたんですが、『いてえ!』って一瞬、険しい表情をしたんです。そこで着ていた服の内側を見せてもらったら、コルセットのようなものを着けていたんですよ。でも、講演の中ではそんなこと一言も言ってなかったんです。そんな人に『頑張って生きようぜ』って言われたら、僕も不登校なんかしてられないと思って復学しました」

 骨折しているにもかかわらず無償で講演し、さらに二次会にまで顔を出して参加者と歓談。その姿に、多くの人が胸を打たれていた。

 自衛隊出身で口癖は「押忍!」の熱血漢。舞台挨拶では肩幅に両足を広げて手を後ろで組む直立不動の姿勢だったりと、いかにも男臭いタイプの俳優だった今井さんだが、それは形だけではなかった。主な講演のテーマは「今を大切に生きる」。がんを患う前からその日を生きることに一生懸命だった今井さんの姿勢は、多くの人の心に残っている。
(文=ジャーナリスト・片岡亮)

最終更新:2015/06/03 12:00
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