大関昇進の照ノ富士に“ご祝儀”スキャンダル マンションの一室で半同棲する同郷のカノジョとは――
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
この本を読んだ朝日新聞出版(朝日新聞の子会社)の青木康普社長が激怒し、出版の役員が永栄氏を呼びつけ、なぜこのようなことを書くのかと詰め寄ったというのだ。
この本を読むと、エリート集団の朝日の中にも、人間的な人たちが多くいたことがわかる。朝日の金看板を背負って威張り散らす人、理不尽な要求をごり押しする人、社論に異を唱える意見は読者といえども載せないと言い切る人など、記者として鍛えられた冷徹な永栄氏の目を通して生き生きと語られる。
朝日が抱える病根が浮き彫りになる、まれに見る記者モノの傑作である。
私は4月27日にビジネス情報誌「エルネオス」(6月号)の対談で、永栄氏と2時間ほど朝日新聞について話し合った。そのあと永栄氏は「朝日に呼ばれている」と言って出ていった。そのときのやりとりを、後で私にこう話してくれた。
「社の最も苦しい時に、昔の話を持ち出して、社をさらに苦境に立たせる本当の意図を知りたい。マイルドにお書きだが、全編、反朝日で貫かれていると思わざるを得ない」
この連載当時、「月刊Asahi」は朝日新聞の一部署だった。昔の話だろうが、これが事実なら大捏造事件である。永栄氏は文春でこう語っている。
「朝日新聞出版の幹部が『手記に間違いない。中国に人を送り、確認した』と言っていると仄聞しました。もし本当に調査をしたならば、その結果を公表してほしい」
当然のことであろう。週刊朝日の編集長だった川村二郎氏が「創」という雑誌に、朝日の社説や記者のコラムが読者に分かりにくく叙述に工夫が足りないと寄稿したのを咎められ、昨年暮れに社友資格剥奪・社関連施設への立ち入り禁止処分を受けたと聞いている。
社内外からの批判に耳を貸さず、痛いことをいうOBまで弾き出すのでは、もはや言論機関とは言えまい。自信を失った朝日新聞の末期症状に、安倍首相の高笑いが聞こえてくるようだ。
東京五輪の目玉である新国立競技場の建設が遅れていて開催が大ピンチだと文春が報じている。これが今週の第4位。
5月18日に下村博文文科大臣と舛添要一都知事が会談した際、下村氏が「屋根を付けると工期が間に合わない上に見積もりの1600億円では収まらないので、500億円程度の負担をお願いしたい」と言ったため、舛添氏は難色を示した。
舛添氏は、協力するのはやぶさかでないが、そのためにはいくらかかるのか、ちゃんと間に合うのかを説明してほしいと、文春に答えている。
文春によれば、五輪開催国のメイン会場建設費はだいたい600~700億円だそうで、1600億円という額はその倍以上にもなる。
当初は国立を耐震補強して使うという「改修案」だったという。それが2019年に日本で行われるラグビーW杯の会場として新しい国立を建てようと、日本ラグビー協会会長を長く勤めていた森喜朗元首相らが画策して予算規模がどんどん膨らんでいったそうだ。
さらに、新国立のデザインを英国在住の女性建築家に頼んだことや、資財・人件費の高騰で予算が一時は3000億円にまでなったのを、競技場のサイズを縮小するなどして1600億円程度まで圧縮したそうである。
屋根付きにすると工期が延びてラグビーW杯はもちろん、五輪にも間に合わないかもしれないし、カネはさらに嵩む。
私は東京五輪開催に反対だから新国立建設が間に合わなくてもいいが、これは東京五輪招致の最終プレゼンで安倍首相がIOC(国際オリンピック委員会)に約束したことである。川淵三郎日本バスケットボール協会会長の言うように、「日本は事前に約束していてもいざとなったら平気で破る」国だと言われかねない。
それでなくとも安倍首相はそのプレゼンで、原発の汚染水は完全にコントロールされているという「嘘」をついているのである。今からでもいいから五輪を返上したらどうか。
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