「安倍談話に侵略の表現入れるべき」発言の浅田次郎氏、韓国でも人気者だった?
#安倍晋三 #韓国 #東アジアニュース
5月25日、国会内にて開かれた、自民党若手議員による戦後70年の日本の歩みを検証する勉強会第2回会合。ここにベストセラー作家の浅田次郎氏が参加し、幕末以降の日本外交に関する講演を行った。その場で「安倍談話に侵略の表現を入れるべき」と発言をした浅田氏が韓国でも注目を集めている。
日本の歴史認識や戦争観に対する警鐘ともいえる発言だったために、歴史問題で日本と対立する韓国では、浅田氏の発言を“歓迎”しているようだ。
「ソウル新聞」は、「映画『鉄道員』原作者の浅田次郎『安倍談話に“侵略”を言及せねば』」とのタイトルで、物議を醸した今回の一件について報じた。同ニュースでは、浅田氏がその場で「近頃の映画や小説で、戦争そのものを情緒的に捉えていないか」とも指摘したことについても言及している。また「朝鮮日報」も「日本の小説家・浅田次郎『戦後70年談話文に“侵略”と入れるべき』」というタイトルでいち早く報じている。韓国としては、浅田氏のこの発言に賛同の意を示したいところだろう。
実は浅田氏、つい先日の5月21日に韓国を訪問し、各種イベントを行っている。今回の発言うんぬんではなく、韓国では作家としての人気が高いのだ。NAVER韓国版のブックレビューにて最もその数が多いのが、タイトル作が映画原作にもなった短編集『鉄道員』。「浅田氏の天才性に感動の波」「小説を読んで初めて泣いた」「考えるほど平凡だが、考えるほど美しい本だ」などなど、絶賛の嵐だ。
「SBSソウルデジタルフォーラム2015」に参加した際に浅田氏は、「伝統的に日本には、小説家はその社会の政治や経済に直接関与してはいけないという概念がある。一種の隠遁な思想だ。日本の文学界では、思想が排除された小説を純文学と認める。恐らくそんな概念のせいだろう」という発言を残している。また「京郷新聞」は、「安倍政権は周辺国が心配するほど軍国主義化されているとは思いません。ただ、誤解の素地がある程度なのかもしれない……。日本国民は、軍国主義化を簡単に容認するほど愚かではありません」という訪韓中の浅田氏の発言を掲載した。
日本の作家がここまで日本のあり方を他国で語るのは珍しく、さらにもともと韓国で人気の高い浅田氏が、今回の発言でさらに注目を集めることは想像に難くない。韓国国民が、日本で影響力ある作家が「韓国の歴史認識を代弁してくれた!」と勢いづいてもおかしくないからだ。両国で強い影響力を持つ浅田氏が、いい意味で日韓をつなぐ重要人物になってくれればいいのだが。
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