友達でも家には泊めたくない!? 中国でアメリカ式“ショートステイ”がはやらない理由とは
#中国 #東アジアニュース
2008年にアメリカで起業したAirbnb(エアビーアンドビー)は、宿泊施設として空き部屋を貸し出すオーナーと旅行者をつなぐウェブサイトで、企業価値は現在、100億ドル(約1兆2,300億円)を超えている。日本でも徐々に利用者が増えており、一部で話題になっているのでご存じの方も多いだろう。
Airbnbはスマホ配車サービスのUber(ウーバー)とともに、ウェブとスマホアプリを利用した商品やサービスの販売、関係構築、レビューなどの提供と、その共有を行うネットワーク・オーケストレーション型企業の代表格となった。中国ではUberと似た「滴滴打車」や「快的打車」が成功を収め、両社は合併。企業価値が早くも100億ドルに達するとの見込みである。
配車サービスに対し、Airbnbを模した中国企業「愛日租」は2013年7月、2,000万ドル(24億5,000万円)の損失を出し、サイトを閉鎖することになった。中国でAirbnb型の企業が飛躍できないのはなぜなのか? 中国メディア「百度百家」(Yahoo!個人のような記者の論評サイト)で雑誌記者の陳紀英氏によると、まず格安のビジネスホテルやモーテルが都市部に点在していることを挙げる。都市中心部のホテル価格が高額な先進国とは事情が違うのだ。さらに、不動産市場の特徴“富裕層の投機対象になっており、部屋を貸すより転売したほうが儲かる”という理由も挙げている。
また陳氏が顧客に対して行った調査で、「もしあなたがある都市に旅行、または出張で半月~1カ月間滞在することになったら、どこに泊まるか?」と聞いたところ、ほとんどが「直接ホテルを探す」という回答だったという。「友達、親戚の家に泊まる」といった回答は少数派で、中国にショートステイという概念がほとんど根付いていないことがわかった。一方で、低すぎる価格も利用者の不信感を募らせる原因となっている。中国で価格が低いことは「汚い」「乱れている」「質が低い」「安全ではない」ことを表しているからだ。
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