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日刊サイゾー トップ > 海外  > 中国各地にキレるドライバー

中国各地で“キレるドライバー”が増殖中 暴行を受けた女性ドライバーが自殺するケースも…… 

roadrage-4.jpgこちらは、5月13日に山東省済南市の交差点で起こった事件。文句を言ってきた女性を引きずったまま車が走りだす。

 実はこの「路怒」という言葉はすでに数年前から現れており、そもそもは英語の「road rage(ドライバー激怒症)」を直訳したもの。つまり、この現象は中国特有のものではなく、アメリカでも1980年代終わり頃から問題になっていたのだ。そして今は、同じ現象が中国でも起こり始めているということわけだ。

 現地に住むライターの三井和雄氏は、路怒現象についてこのように説明する。

「中国では車の数の増え方がハンパではなく、報道によると、2001年には全国の自動車販売台数は200万台強だったのが、それから13年後の14年には2,300万台以上、つまり11倍にも増え、自動車台数は1.5億台を超えている。この急増ぶりに交通インフラが追いつくはずもなく、各地で渋滞が増える結果となった。ましてや中国人ドライバーの辞書には“譲り合い”などという言葉は存在しないので、『すったの』だの『ぶつかった』だのというのは日常茶飯事。路上に車を止めて言い合っているドライバーたちの姿をよく見かけます。ただ、中国では口論にはなっても、暴力沙汰になることはこれまで少なかった。渋滞などによる路上でのイライラが、“路怒”という過激な行動に走らせているのかもしれません」

 増え続ける自動車台数、改善には長い時間がかかる交通インフラの整備、ほとんど絶望的なドライバーの運転マナーの向上。イライラがさらに増大する夏に向けて、「路怒」の事件はこれからも増え続けていくかもしれない。
(取材・文=佐久間賢三)

最終更新:2016/01/28 16:09
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