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寺嶋由芙が明かす、“まじめなアイドル”の葛藤と覚悟 「CDを積ませるだけでは続けていけない」

「一般人になった私をアイドル扱いしてくれたので戻りやすかった」

――寺嶋さんはBiS脱退後、最初は事務所にも所属せず、「ミスiD2014」を受賞して、ソロの初ライヴ(2013年10月22日『アイドルフィロソフィーVOL.3』)を4曲だけでして……。「#ゆーふらいと」でインディーズで再デビューするまでの時期も相当しんどかったと思いますが、今振り返ってみてどんな経験でしたか?

寺嶋:あの時は一番焦りがありました、今とは別の焦りが。活動も決まらなくて、みんなに会えないという問題がありました。私が行きそうなゆるキャライベントに会いに来てくれても、みんながっつかないんですよ! 本当にいいオタク(笑)。

――でも、がっつかれないのは寂しくなかったですか?

寺嶋:一般人になった私をアイドル扱いしてくれたので、アイドルに戻りやすかったと思います。戻ってくる前提で接してくれていたのでありがたかったです。

――そして、メジャーでもディレクターを担当することになる加茂啓太郎さんと出会うことになります。加茂さんが、ナンバーガールやBase Ball Bear、氣志團などを世に送りだした人だと知っていましたか?

寺嶋:全然知りませんでした。一回私がいたグループの握手会に来てくださったことあって、でんぱ組.incの台湾ツアーで買ってきたゆるキャラのOPENちゃん(セブンイレブンが台湾や中国で使っているキャラクター)の人形を持ってきてくれたんです。握手会で紹介されて、業界の人って認識だけはありました。

――その加茂さんとメジャー・デビューまで来たわけですが、メジャー・デビュー・シングル「ふへへへへへへへ大作戦」の作詞に大森靖子さんを迎えた経緯は?

寺嶋:加茂さんのアイデアです。私も大森さんの曲を好きで聴いていたし、トークイベント(2014年1月21日『絶対黒髪少女』)でご一緒させていただいたり、「ミスiD」つながりで「イミテーションガール」(大森靖子の2014年のアルバム『洗脳』収録曲)にも参加させていただいたりしていたので、自然な流れでした。

――寺嶋さんの最初の自主企画(2013年12月23日『ゆっふぃープレゼンツ まじめなアイドルたちのクリスマス』)にも大森さんは出演してましたね。寺嶋さんから見ると、大森さんはどういう存在ですか?

寺嶋:2012年の「夏の魔物」で、オタクから聞いて大森さんの存在を知ったんですけど、過激なことが話題になりがちだったから「それでいいんだろうか」と曲も知らずに思っていました。でも、私がいたグループの「primal.」という曲で共演したら完璧だったんですよ(2013年4月3日『OMOCHI★MOOSIC presents MOOSIC LAB OPENING PARTY!』)。大森さんはワッキー(BiSを2013年3月16日に脱退したワキサカユリカ)のパートだったんですけど、彼女の踊り方の癖まで完コピしていて、「この人すごく真面目じゃん!」と驚きました。根が真面目で、話すと優しい人なのに、ステージはあれだけエモーショナルで、作り物ではなく本物だったから悔しかったんです。私はアイドルだから言われたことをやっていたけれど、大森さんは全部自分でやっていたから、かっこよかったし、悔しかったです。

――最初は「悔しい」。その印象が変わったのは?

寺嶋:ソロになってからトークイベントや「ミスiD」のイベント、去年の「夏の魔物」でお話しして、人としての尊敬にどんどん変わっていきました。曲も聴くようになったし、トークイベントではタンポポの「I&YOU&I&YOU&I」も一緒にカヴァーして、ハロヲタ仲間としても好きです。

――今回、「寺嶋由芙」というキャラクターの裏側を大森さんに描かれるのでは、という不安はなかったですか?

寺嶋:不安はないです、書いてもらえるといいなと思っていました。「きゅるきゅる」(大森靖子の2014年のシングル)や「子供じゃないもん17」(大森靖子の2014年のアルバム『洗脳』収録曲)は私をモデルにして書いてくれたと聞いていたので。アイドルだから自分では言えないので、自分では出せないところを書いてくれたらいいなと思いました。黒い部分とか隠しきれてないからバレてると思いますけど(笑)、自分から「まだ見せてない部分があるんですよ」と言ったら寒いし、アイドルとしていろいろ想像してもらえる奥行きを作ってほしいな、って。

――寺嶋さんは基本的に自分に美学を課している人ですよね。それが「裏表がある」とも言われたり。そこを突かれるのではないかと思いませんでしたか?

寺嶋:清く正しく生きてますから!(笑) でも、もっと攻めるというか、黒い感じの歌詞になるかと思っていたら、私を肯定してくれている歌詞で意外でした。

――大森さんが作詞するときに、Twitterで「ゆっふぃーに言ってほしい言葉ある人リプ」と募集してましたけど、結局採用された言葉はあるんですか?

寺嶋:ないです(笑)。リプがひどくて、安易な「黒ゆふ感」だったんですよ! みんな考えてはくれたけど、大森さんはそれを超えてきてくれたのでありがたいです。

――大森さんから渡された「言葉」はどうでしたか?

寺嶋:「まじめをなめないで」という歌詞は、メジャー・デビューのタイミングで名刺代わりになって、わかってもらいやすいと思います。「#ゆーふらいと」とは別の意味での自己紹介になると思います。「#ゆーふらいと」は「いろいろ大変なこともあったけどがんばろうね」ってねむきゅん(夢眠ねむ)が書いてくれて、感動して応援してくれる人もいたし、自分も励まされたんです。「ふへへへへへへへ大作戦」はそれよりは攻めてるし、私の過去のことを知らなくても聴いてもらえると思います。

――「あんまり まじめをなめないで」「触らせてあげてもいいわ」「ハートまで ゆるくちゃだめよ」と、寺嶋さんのキーワードを踏まえつつ、刺激的な歌詞もありますね。

寺嶋:もう23歳なので、大人の魅力で! でもダメですよ、CDを買ってもらえないと握手会で触れさせないですけど(笑)。かわいい王道アイドルソングっぽい曲調と歌詞のギャップで、聴いてくれる人が増えてくれるといいなと思います。あと、「ふへへへへへへへ」の「なんだこれ?」感とか、「大作戦」っていう言葉も、つんく♂さんっぽいと思ったんですよ。そういうフレーズを入れつつ、ピリッとくる感じがあります。

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