北朝鮮で“占い”ビジネスが大ブーム「金正恩より、よっぽど信じられる」!?
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北朝鮮で「占い」は違法行為だ。北朝鮮の刑法256条では、カネや物品を受け取って迷信行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に、罪状の重い者は3年以下の労働教化刑に処すと規定されている。
ところが、親が子どもを「占い師」にして商売するケースが急増し、北朝鮮当局が取り締まりに乗り出したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
海外の北朝鮮情報筋によると、親はまず『白登録』という、いわば「占いの教科書」を手に入れて、子どもに勉強させる。のみ込みのいい子なら、1カ月ほどで「占いまがい」ができるようになる。そうしたら、町のあちこちで次のように触れ回って宣伝する。
「うちの子どもは神の啓示を受けた」
1人、2人と客がやって来て、そのうち「当たる!」と評判になれば、商売は繁盛する。
こうした占い師は、平壌、南浦、新義州などにかなり存在するというが、中でも平安北道博川郡に住む16歳の少女占い師の評判がよく、北朝鮮当局の幹部クラスが自宅に呼び寄せて、コソッと占ってもらっているという。
1回の料金は中国人民元で20元(約390円)。市場で商売することを考えると、かなりの儲けになる
こうした風潮に対して、北朝鮮当局はさっそく「占いは迷信行為だ!」と大々的な取り締まりに乗り出す。
思想教育のための講演会(学習会)では、「子どもを占い師にしてはならない」「迷信行為を根絶せよ」などと言われている。人民保安部(警察)は、占い師を見つけ次第逮捕、処罰している。
占いを取り締まる最大の理由は「違法行為」だが、それよりも金正恩氏を頂点とする「唯一指導体制に反する」という理由もある。北朝鮮では、最高指導者(正恩氏)が、神に相当する存在であり、それ以外の人間が「神通力」を発揮してはならないという非科学的な理由だ。
事実、占い師を信じて、正恩氏が指示した「国土建設総動員事業」に参加しない人民が増える現象が起きている。
「最高指導者の言葉よりも、占い師のほうがよっぽど頼りになるということさ」(内部情報筋)
(デイリーNKより<http://dailynk.jp/>)
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