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日刊サイゾー トップ > 海外  > 韓国「65歳はまだ老人じゃない」

高齢化進む韓国社会 “シルバーシート”をめぐる老人たちの熾烈な争いに「65歳はまだ老人じゃない!?」

silverseat0522.jpgイメージ画像 Photo By
LWYang from Flickr.

 65歳以上の人口が約12.7%という高齢化社会を迎えた韓国。2020年の高齢者人口は15.7%、2030年には24.3%になると予測されているほど、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最も急速に高齢化が進展している。それにつれ、高齢者による社会問題も増す一方だが、最近特に話題になっているのが地下鉄の優先席(韓国では“老弱者席”という)問題である。

 そもそも韓国では、若者が高齢者に席を譲るのが常識で、もし譲らなかったら周りから冷たい目で見られてしまう。過去には席を譲らない若者が居合わせた乗客たちからあからさまに非難を浴びるほど、若者と高齢者の間でトラブルが多かった。

 そうしたこともあり、今では地下鉄の優先席に若者が座る光景をめったに見かけなくなったが、最近は若者の代わりに65歳以上の高齢者同士のケンカが後を絶たないという。

 ネットの掲示板やSNSでは「今、地下鉄の中だけど、優先席前で老人2人が年齢のことでケンカ中」「80代の方が、優先席に座っている70代の老人に対して『まだ髪の毛も黒いくせに』と怒ってケンカ沙汰」など、高齢者同士のケンカの様子がリアルタイム中継されたり、目撃談が上がったりする。

 ソウルメトロとソウル特別市都市鉄道公社の発表によると、2014年にソウル市内の地下鉄で発生した優先席トラブルは219件。11年に比べると2倍以上に増えたという。ネット上に寄せられた65歳以上からのクレームも2倍以上に増加しているが、高齢者のインターネット利用率が低いことを考えると、実際にはもっと多いはずだ。

 60代が70代に、70代が80代に席を譲らなければならない雰囲気の中、優先席を利用する妊婦とのトラブルも問題になっている。「見た目だけではわかりづらい妊娠初期に優先席に座っていたら、高齢者から怒鳴られて言い争いになった」というのは、もはや珍しい話ではない。妊婦専用席が設置された13年からはトラブルがだいぶ減ったようだが、相変わらず優先席をめぐって人々が神経を張りつめる現状だ。

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