“元祖ゆるキャラ”『はに丸ジャーナル』の、ゆるくない問いかけ
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「有名になりたいから、NHKを利用するってことかな?」
はに丸が、埴輪をモチーフにした高槻市のゆるキャラ「はにたん」に対して容赦なく突っ込んだ。
これは『はに丸ジャーナル』(NHK総合)での一幕。25年ぶりに蘇った「はに丸」が、“ジャーナリスト”を務める番組だ。「はに丸」とはもちろん、NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送していた人気子ども番組『おーい!はに丸』のキャラクター。馬の埴輪をモチーフにした従者「ひんべえ」がパートナーである。
彼らが時を経て復活したのは、2013年に放送された『日テレ×NHK 60番勝負』(日本テレビ・NHK)が最初だった。この活躍が反響を呼び、14年にパイロット版『はに丸ジャーナル』を放送。Googleに潜入し、無邪気に「どうしてなまけてるの?」などと開発者に聞いたかと思えば、「本当の喜びは、苦労の中にあるものじゃないかな?」などと本質的なことを言ったりしていた。そして、今年5月5日から、“祝日限定”という変則的な形ではあるが、レギュラー番組となったのだ。番組は、はに丸が時事問題の現場を訪れレポートする「はにスクープ」と、はに丸が時の人にインタビューする「はにトーク」を軸に構成されている。
レギュラー化初回の「はにスクープ」のテーマは、“ゆるキャラ”。
「僕、ゆるくないですよ。なんですか、ゆるキャラって、失礼しちゃうなぁ」
「僕はゆるキャラじゃないよ!」
と頑なに自分は“ゆるキャラ”とは違うと主張するはに丸が、増えすぎたゆるキャラ問題に切り込んでいく。ある自治体では、告知活動をひとつのキャラに集中させるため、ほかのゆるキャラを「リストラ」したという。
「僕はさ、長いこと倉庫にいたので、そうやってリストラされちゃったりする、作る時だけ作っちゃって、『もういらない』って言われちゃうキャラクターの気持ちがよくわかるんだ」
と、その現状を憂うはに丸。
「NHKの偉い人たちに言いたいの。『視聴率が悪くても、僕とひんべえをリストラしないで下さい!』」と。
また、はに丸“ゆるキャラ”の名付け親である、みうらじゅんを直撃。はに丸とみうらの2ショットは、なんだか時空が歪んだような不思議な感じだ。
「はに丸くんは、しゃべっている時にバコバコ音がしていいですよね。そこが好きだった」とみうらが言うと、はに丸は「僕たち硬いの。だから、いろんなことができない」と返す。すると、みうらは「そこがやっぱり、ゆるキャラなんですよね」と言うのだ。これには「僕はゆるキャラじゃない」と頑なだったはに丸も絶句。そんなはに丸を見て、みうらは“ゆるキャラ”という名称の元は、はに丸を見たから生まれたという事実を明かすのだ。
「僕が三十何年前に初めてはに丸を見たときに、“ゆるいな”とすごく思ったんですよね。“単なるキャラクターとは呼べないな”とは、当時から意識はしていたんですけども、そこが元にあって、自分の中に“ゆるキャラ”という言葉が浮かんだ」と。
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