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「半グレ老人」急増中!? ストーカー、売春、万引……超高齢化社会を生きる『老人たちの裏社会』

 これら、高齢者をめぐる問題の根底にあるのは、進歩した医療技術によって、かつてよりも格段に向上したシニアの体力と、リタイアした彼らが持て余す時間の大きさ。人生のタイムリミットを意識しながら、「やり残したこと」に対して焦りながら、性欲や物欲を引き金にして犯罪や迷惑行為に手を染めていくのだ。

 社会は彼らを「高齢者」の枠に押し込めて接点を持とうとせず、「普通」の社会から遠ざけていく。そんな社会で子や孫などの親類とも疎遠になれば、孤独感や疎外感などの満たされない思いは募るばかりとなる。ストーカーとして、若い女性につきまとっていた男性は「あのときは情熱があって1日が充実していた」と、遠い目で述懐する。犯罪行為や反社会的行為は、彼らが見つけることができた唯一の生きがいとなってしまった……。

 元気な老人が増えるのは、超高齢化社会を迎えた日本にとって明るい話であるはず。しかし、元気が余って犯罪に手を染めるような老人が増えるのは困りもの。そのためにも、本書が警告を発する「老人」のあり方について、もう一度考える必要があるのではないだろうか?
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

最終更新:2015/05/05 14:00
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