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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 横浜名物「帽子おじさん」を直撃
珍バカライター・北村ヂンの【突撃取材野郎!】vol.22

横浜名物“帽子おじさん”のヤバすぎる過去にギョーテン!

P1290088.jpg3月21日~ 4月24日まで恵比寿のNADiff Galleryで行われた「頭上ビックバン!帽子おじさん宮間英次郎 80歳記念大展覧会」。どうにもこうにも目がチカチカします……

■痴漢をやめて帽子の世界へ

――それがいくつくらいの頃なんですか?

「30歳くらいかな? そんなことをやっているうちに、ちょっと道を踏み外しちゃってね。おじさん、子どもの頃から奥手だったから、ずーっと友達がいなかったんだよ。友達がいれば、道を外れそうになっても『そんなこと、やめたほうがいいよ』とかいさめてくれるじゃん。でも、友達いなかったら関係ないからね」

――で、どんな道を外れたことをやってたんですか?

「要するに……痴漢だね」

――痴漢!

「こう見えて昔は、結構いい男でモテたわけよ。中村錦之助とかそういう、のっぺりした顔が美形ってことになってたんでね。だから、映画俳優にでもなれるんじゃないかと思ってたの。でも蓄膿症の手術したら、顔の形が変わっちゃって……。映画俳優になっていじめていた奴を見返してやろうと思っていたのに、これから青春だっていう時期に、醜い顔になっちゃったんだよね。女だったら自殺しているよ。元の顔に戻らないとわかった時点で、自暴自棄になっちゃったんだ」

――だから、痴漢しちゃったってことですか?

「まあそうだね。心が弱かったから仕方ないやな。この頃から、人生あきらめていたと思う。ギャンブルやって負けたら、次の日働かなきゃいけないでしょ? 心がカサカサしちゃうのね。あと、若い頃の性欲の勢いに負けてしまったんだろうね」

――……。

「それから、東京の山谷、大阪の西成、名古屋の笹島、横浜の寿町……ってドヤ街を転々としながら日雇いをやって、痴漢もやって。旅の恥はかき捨てっていうじゃん。そういう感覚だったね」

――痴漢で捕まったりはしなかったんですか?

「捕まった! うすうす警察にマークされていそうな感じはしていたけど、警戒心が足りなかった。目白だか高田馬場だかの駅で捕まって。“もうこんなことしてちゃダメだ”って、60歳手前くらいでキッパリ足を洗ったから」

――随分長いこと痴漢してましたねぇ!

「捕まった後は本当に死ぬほど悩んで後悔して、一生後ろ指さされ、さらし者になって生きるよりも死んだほうがましだと思ったけど、なかなか自分の命を絶つことはできない……。ただ、悪いことは悪いことだけど、人を殺したわけじゃないからね。女の人から忌み嫌われるのはわかるけど……男の人なら少しはわかるでしょう?」

――ま……まあ~。

「まあ、そういうことで痴漢からはキッパリ足を洗って、それから、こういう格好をするようになったんだよ」

――!? 唐突すぎて意味がわかりませんけど、痴漢の代わりに帽子をかぶりだしたと?

「死ぬ度胸がなければ、いっそ開き直って? それまでは悪いことしてたけど、いまは更生している。これからは真面目にやろうという意思表示だよね。まあ、逆効果かもしれないけど」

――は? 真面目にやろうという意思表示!?

「帽子おじさんをやりだしてから、初めのうちは『ちんどん屋』なんて呼ばれていたけど、だんだんと帽子が複雑になっていってからは、芸術的になったってわけじゃないんだろうけど、ちょっと上品な感じになってきたのか、悪口は少なくなってきたね」

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