マンガ界を震撼させた伝説のゴーストライター 『コミックマスターJ』とは?
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
みなさん、すでに忘れつつあるかもしれませんが、2014年はメディアを中心に世間の話題をさらった「偽ベートーベン問題」というのがありました。まさしく世間が「聞いてないよ!」と突っ込みたくなる一大事件に発展したことにより、「ゴーストライター」という今まであまり表立って語られることのなかったキーワードが注目されることとなり、流行語大賞にまでノミネートされました。最近では、ゴーストを務めた新垣隆さんがあらゆるメディアで引っ張りだこになっていますね。
それに影響されたかどうなのか分かりませんが、っていうかたぶん間違いなく影響されていると思いますが、文字通り「ゴーストライター」というドラマが最近になって放送されたりもしました。
ところで、マンガの世界でも「ゴーストライターはありまぁす!」ということで、マンガの世界のゴーストライターを描いた作品をご紹介しましょう。その名も『コミックマスターJ』(少年画法社)。漫画界を……いや世界を崩壊させてしまうほどの恐るべき実力を持つ、伝説の漫画アシスタントを描いた作品です。
おいおい、伝説の漫画家じゃなくてアシスタントのマンガかよ……と思った方もいるかもしれません。しかし、ナメてもらっては困ります。『コミックマスターJ』はただの漫画アシスタントにあらず、究極のスーパーアシスタントなのです。
なにしろ、依頼料は1回500万円。ブラックジャック並みの高額報酬ですが、奇跡のスピードとあらゆるペンタッチを有する技術でどんな締め切り寸前の修羅場も切り抜ける、プロ中のプロなのです。
例えば漫画家が急病で倒れたり、失踪したり、入稿直前の原稿が火事で焼けたりしてもコミックマスターJが救ってくれるのです。どんなマンガ家の画のタッチも本物そっくりに再現でき、ストーリー作成からネームまでも超スピードで完璧にこなす、まさしく漫画界究極のゴーストライターでもあるのです。
主人公の「J」は、サングラスに全身白ずくめという現代のベートーベンとは真逆のスタイルですが、実力は本物です。真夏でも決して脱ぐことのないコートの下には、すべての漫画道具がそろっています! これはすごい。職務質問されたら一発アウトなレベルです。
そして一度描き始めれば、ほかのアシスタントを寄せ付けないほどの超スピード。周りのアシスタントがドン引きするほどの迫力で、どんなに締め切り直前でも完璧に間に合わせてくれます。
画のタッチも完璧。専属アシスタントでも本物と見分けがつかないレベルなのです。完璧な仕事っぷりで、単なるアシスタントを超えたゴーストとしての役割を果たすJですが、ただ単に500万円という金さえ積めば依頼できるわけではありません。Jが依頼を受ける作品には、条件があるのです。
それは「魂のある作品」でなければ依頼は受けない、ということです。逆にJが認めた作品であれば、たとえ500万円が払えなくても、依頼を受けてもらえる時があります。この辺は、なんかブラックジャックっぽいですね。
なので、Jが作品を読んで「いい作品です!」と言ったら、ほぼ間違いなく依頼を受けてもらえます。ただし、油断はできません。魂のある作品でも、本当に漫画家先生が追い詰められて原稿を落としそうではない時、まだ余裕がありそうだとJに見抜かれた場合は……。
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