テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第90回
こんなピエール瀧、見たことない! NHK骨太ドラマ『64』を支える“顔力”
2015/04/28 14:00
#テレビ #ドラマ #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ
さらに、三上の苦悩は終わらない。時効直前、「ロクヨン」そっくりの新たな誘拐事件が起こるというのだ。「という」と伝聞で書くのは、まだ起こっていないからだ。このドラマは「ロクヨン」事件と、14年後に起こるこの新たな誘拐事件という2つの誘拐事件が“本筋”である。しかし、全5話中、2話が終わった時点で、まだこの事件は起こっていない。昨今のドラマでは、できるだけ早めに本筋を提示するのが主流となっている。そのほうが分かりやすく、視聴者を逃しにくいからだ。だが、本作では丁寧に、丁寧すぎるほどに、その周辺を時間をかけて描いている。その丁寧さの分だけ、今どき珍しい「骨太」なドラマになっている。昭和の最後を舞台にしていることが象徴するように、どこか昭和のドラマを見ているような感覚に陥ってしまう。
それを強調するのが、瀧の「顔」である。プロデューサーも、彼を主演に起用した理由を「昭和の顔にこだわったから」だと語っている。昭和の俳優は、みんな顔が大きかった。その顔力で画面を重厚なものにし、その迫力で視聴者を釘付けにしていた。瀧にも、間違いなくそんな“顔力”がある。骨太で重厚なドラマには、瀧のような強い顔が必要不可欠なのだ。
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)
最終更新:2019/11/29 17:49
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
09:20更新
イチオシ記事
「お騒がせ男」水泳・瀬戸大也に突き付けられた妻・馬淵優佳からの三行半