“断片台本”も当たり前!? 週に5日は徹夜する韓国ドラマ「殺人的撮影システム」の闇
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3月13日から毎週金曜日にBSジャパンで放送されている韓流ドラマ『星から来たあなた』。超能力を持つ“宇宙人”とトップ女優のピュアで不器用な恋模様を描いた同作は、昨年上半期の韓国放送時は最高視聴率33.2%を叩き出し、年末に行われたSBS演技大賞でも数々のタイトルを総ナメに。劇中で着た衣装が完売するなど、さまざまな社会現象を巻き起こした。その人気は韓国国内だけにとどまらず、アジア各国にも伝播しており、中国では映画化も決まったほどである。
だがこのドラマ、実はヒットの裏で「殺人的な撮影スケジュール」が強行されていたことをご存じだろうか? スタッフや演者は、毎日のように徹夜で撮影を行い、睡眠時間も1日2~3時間だったとか。撮影期間中に帰宅できることはほとんどなく、寝食も現場で行うというハードなスケジュールをこなしていたというのだ。特に、主演を務めたキム・スヒョンは、2カ月以上もの間、ほとんど休みがなく、毎日のように睡魔と戦いながら撮影を続けていたという。
こうした殺人スケジュールの元凶となっているのは、韓国ドラマの撮影システムにある。韓国では日本と違って、ひとつのドラマが1週間で2話分放送されるため、台本も週に2本用意しなければならない。クランクイン前は準備期間も長いため、台本も数話分は用意されているが、中盤になってくると台本がギリギリに上がってくることも珍しくない。放送予定日の2週間前に上がってくるはずの次回分の台本が、放送2日前になって、ようやく完成するということもザラ。それどころか、特定のシーンだけが記された台本が上がってくることもあるという。出演者たちの睡眠時間が不足しているのも、まさにこのためなのだ。
このような現象を比喩して、韓国では“断片台本”という造語まであるほどだが、台本が遅れるのにも理由がある。制作サイドが視聴者の反応を反映させようと、放送ギリギリまで修正を加えようとするのだ。
視聴者の反応を何よりも最優先に考える韓ドラ界において、その反響の良し悪しは、その後の命運を大きく左右することになる。視聴者の反応が悪いがゆえに、打ち切りになることや、逆に30話近く延長されることも日常茶飯事。そんな視聴者の声に常に敏感になりながら、より質の良い台本を書こうとするあまり、台本の完成がギリギリになり、出演者やスタッフたちは連日のように徹夜を余儀なくされるというわけである。
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