亡くなる直前「安倍さんに殺される」と語った愛川欽也さん、その真意とは――
タレントの愛川欽也さんが15日、肺がんのためこの世を去った。その直前「週刊文春」(文藝春秋)では、愛川さんが「安倍(晋三)さんに殺される」とこぼしていたと報じられた。同誌では愛川さんが半ば認知症を患ったかのような記事になっていたが……。
実は愛川さんは知る人ぞ知る“反戦の人”だった。東京都墨田区が主催する「平和メッセージ展」には21年間に渡って出品し、3月にも「反戦は憲法を守ることです」という言葉を届けていた。自身のネット番組でも安倍政権に再三警鐘を鳴らしていたという。
根底にあるのは戦争経験者としての半生。テレビでは明るく振る舞いながら、平和の尊さと戦争の愚かさを伝えることを使命と感じていた。
そうした愛川さんの素顔を知る数少ない人物が、映画『転校生』や『時をかける少女』で知られる映画監督で、同じく戦争経験者の大林宣彦氏だ。
愛川さんとは1992年の監督作品『私の心はパパのもの』で現場を共にした間柄。今月19日に映画関連のイベントに出席した大林監督は愛川さんについて「僕と同じ“反戦世代”のひとりとして、エンターテインメントを通じてそれを表現していた」と告白。同時に「そうした彼の活動がメディアを通じて世間に知られていないことが残念でならない」とも話していた。
現在の安倍政権は愛川さんが望む平和国家とは真逆の方向に進みつつある。テレビ朝日の『報道ステーション』で元官僚の古賀茂明氏が官邸批判したことに激怒し、テレ朝幹部を事情聴取するなど「報道の自由」を侵害しかねない行為を連発している。
「そうした安倍政権の暴走を危惧していたのが愛川さん。生前の『殺される』発言は決して認知症の類ではありませんよ」とは愛川さんを知る人物。天国でも愛川さんは日本の行く末を案じていることだろう。
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