亡くなった愛川欽也、歌手活動も話題に「死ね死ねブルース」に驚きの声も
“キンキン”の愛称で親しまれた、俳優でタレントの愛川欽也さんが肺がんのため亡くなったことが16日、明らかになった。享年80。先月7日に『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)を突然降板し、体調不良がささやかれていたが、妻・うつみ宮土理がそれを否定。しかし、15日には要介護状態であることが報じられるなど情報が錯綜していたタイミングでの訃報に、メディアやお茶の間には衝撃が走っている。
俳優、声優、タレントと幅広い分野で活躍してきた愛川さん。訃報をきっかけに一部で注目が集まっているのは、その歌手活動だ。1965年に放送開始した『おはよう!こどもショー』(日本テレビ系)では「ロバくん」役を演じるとともに、主題歌も歌唱。73年には、作詞も手がけたファーストシングル「村はずれ」をリリースしている。自身の代表作である映画『トラック野郎』シリーズの主題歌で、主演の菅原文太と歌った「一番星ブルース」は、映画とともにヒットを記録した。
愛川さんの歌について、ネット上では「ロバくんの歌が脳裏に焼き付いてる世代は多いはず」「『うつむいて歩こう』は哀愁を帯びた好きな歌の一つで、よく聞きました」などのコメントが見られる。また、ロックバンド、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬は「歌手キンキンも素晴らしかった」というコメントともに、「これが自由と言うものか」「ルンペン・ブルース」などを紹介している。
そんな中、特に話題になっているのは、75年の「死ね死ねブルース」だ。タイトル通り“死ね”という言葉が散りばめられ、「なんとなく生きてたお前死ね」「男と女ちょっとの違いで死ね どして揉めるの死ね」など過激なフレーズも多い。“お茶の間のキンキン”だけを知るネットユーザーからは「こんなの歌ってたの!?」という驚きの声も上がっているが、「笑える」「逆に元気が出る」と評判だ。R&Bを意識した歌唱法も雰囲気があると評され、ファンの間では名作として語り継がれている。
同曲が収録されたLP『欽也一夜物語』はCD化されておらず、中古レコードショップでは高値で取引されている。愛川さんの功績を振り返るという意味で、CDのベストアルバムが発売されることがあるかもしれない。
愛川さんの遺作となる映画『満州の紅い陽』は、18日から公開。自身で主演・監督・脚本を務めており、17日の『とくダネ!』(フジテレビ系)では「初日舞台挨拶に立ちたい」という意思があったと報じられた。長年、芸能界の第一線を走り続けてきた愛川さんは、最期まで“ファンを喜ばせる”という意識を持っていたようだ。その功績を称えるとともに、哀悼の意を表したい。
(文=近藤由佳)
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