こんな刑事はイヤだ!! 恐るべき方法で事件を解決する「特殊スキル刑事マンガ」特集
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
■『キッテデカ』(著:寺沢大介/ビッグコミックス)
これまた文字通り、切手マニアな刑事のマンガです。主人公・前島郵雅(まえじまゆうが)は、署内ではいつも切手のコレクションを眺めているだけのグーダラ刑事ですが、切手はもとより郵便に関する知識がものすごく、証拠品で切手や郵便物が押収されると、それを手がかりにほぼ100%難事件を解決してしまうという、特殊スキルを持った刑事です。
……いやいや、切手が絡んだ事件なんて、そうそう都合よく発生するわけないだろ! と思う方もいるかもしれませんが、これが大変不思議なことに、ストーリー上の不自然さはまったくなく、頻繁に切手絡みの事件が発生するのです。マンガの世界を甘く見てはいけません。
<事例1>
連続窃盗団が盗んだ盗品の中に、1枚の手紙がありました。手紙に貼ってあった切手は、高価な「見返り美人」。この切手を手がかりに、キッテデカが全国の切手商ネットワークへ連絡。「見返り美人」を切手商に売りに来た人間を指名手配し、まんまと窃盗団を芋づる式に逮捕します。
<事例2>
新宿区で身元不明の老人の誘拐され、老人の物とみられるプレミア切手「月に雁」を綴じたアクセサリーが発見されました。この「月に雁」切手の消印日が特殊であったことから、キッテデカがその切手の消印を押した西新宿の郵便局員に聞き込みを行ったところ、老人の身元が判明。その老人を脅していた地上げ屋の強制捜査で、見事老人は救出されたのでした。
そんな感じの、どう考えても普通の人では分かりかねるディープな郵便知識を駆使し、毎回、難事件をバリバリ解決。しかもその過程で……
「歴代の前島密1円切手の見分け方」
「切手の印刷時に異物が付着して汚れた状態で印刷されたエラー切手を“定常変種”と呼ぶ」「切手の裏糊はポリビニールアルコール製で、微かに甘味があり、身体には無害」
などなど、刑事マンガを読んでいると思ったら、いつの間にか興味のない人にはまったくどうでもいい、切手についてのマニアックなウンチクが身についてしまうという恐るべき作品です。
■『胸キュン刑事』(著:遠山光/少年マガジンコミックス)
作者は遠山光先生です。遠山光先生の代表作といえば、ほかにも『ハートキャッチいずみちゃん』があります。どちらも少年マンガの枠の中でエロ表現のチキンレースを行う、いわゆる「寸止めエッチマンガ」で、多くの小中学生たちをイライラムラムラさせてきました。
主人公は音羽署捜査一課に配属された新人女刑事「皇くるみ」(すめらぎくるみ)です。くるみが生まれつき自分に備わっているある超能力を駆使して難事件を解決していくというストーリーなのですが、その超能力がスゴいのです。
なんと、犯罪者が近くにいると、乳首がピーンと反応するのです。しかも的中率は100%、警察犬よりも優秀です。つまり、もうお分かりですね……? 犯人を見つけると胸の乳首がピーンと立つから、『胸キュン刑事』なのです!
ストーリーの定番は、容疑者に「胸キュン」したくるみが、おとり捜査を敢行。色仕掛けで容疑者に接触し、犯罪のしっぽをつかみます。ところが、途中でおとり捜査がバレて、くるみは拉致。服を脱がされ、“このままじゃ、ヤラれちゃう!”というところで張り込んでいた同僚の刑事が乗り込み、犯人を現行犯逮捕。一件落着、めでたしめでたし。
一方で、くるみが脱がされるシーンでムラムラさせられた挙げ句、寸止めを食らった小中学生読者は全然めでたくない。というのが、毎回のお約束となっています。
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