トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 海外  > 北朝鮮産カニ・マツタケが食卓に?

カニもマツタケも中国経由で大量輸入中! 日本の北朝鮮制裁が“ザル法”すぎる!?

seisai02.jpg中国・延辺朝鮮族自治州・延吉の魚市場。北朝鮮の水差物だが、カニは小ぶり。

 昨年7月から続いてきた日本と北朝鮮の政府間交渉が、暗礁に乗り上げた。理由の1つは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の自宅などへのガサ入れだ。捜査当局は5年前に起きた在日韓国人によるマツタケ密輸の外為法違反事件を名目にしているが、そもそも北朝鮮産品の全面輸出入禁止は「“ザル法”でしかない」と、ある日本人の貿易ブローカーは断言する。拉致問題の日朝交渉をやめるほどのヤマなのか、密輸が横行する実情を知る関係者からは疑問の声も出ている。

 日本政府はテポドン発射や核実験強行などの理由から、2006年10月に北朝鮮向け輸出、09年6月からは北朝鮮からの輸入を全面禁止とする独自の制裁を始めた。制裁前の06年貿易統計では、カニ約6億円、マツタケは約7億円分が北から日本に輸入されていた。こうした利益を北に与えない、経済制裁の一環だった。

 現在はどちらもゼロだが、日本と中国、北朝鮮を行き来する貿易ブローカーは「北朝鮮のマツタケ、カニは圧倒的に仕入れ値が安い。箱を詰め替えて、『中国産』として出荷している。中国の市場に行くとよく分かるが、北朝鮮産のカニやマツタケの一級品はあまり置いていない。優先して日本へ輸出しているからだ」とほくそ笑む。

 北朝鮮は、中国からありとあらゆる物資を輸入しているが「衣料品やタバコ、酒は、中国製品より圧倒的に日本製品のニーズが高い。女性用下着なんて、北の外貨ショップに行くと、日本円の値札やタグが付いたまま販売されている」(同)。

seisai03.jpg北朝鮮の外貨ショップにあったブラジャー。日本のタグがそのままで販売。

 ブローカーによると、日本からまずは中国に向けて輸出し、ブローカーが北朝鮮向けの荷物に積み替える。最近はお菓子や調味料といった安価な物まで日本製品が席巻し、ステータスのある贈答品としてよく売れているという。

 平壌の外貨ショップには日本の商品があふれ、日本の食卓には中国産と称した北朝鮮産のカニやマツタケが並んでいる現実――。“密輸”は難なく日本と中国の通関をくぐり抜ける。

12
ページ上部へ戻る

配給映画