松岡修造がテニスから学んだ感謝の食レポ術 フジ『くいしん坊!万才』(3月16日&23日&30日放送)を徹底検証!
#テレビ #松岡修造 #タレント解体新書
日めくりカレンダー『まいにち、修造!』の大ヒットも記憶に新しい、松岡修造。その熱い人間性は誰もが知るところであり、先行きの見えない現代の日本社会において、一筋の光を常に与えてくれる稀有な存在だといっていいだろう。錦織圭選手の活躍によって元テニスプレイヤーとしてのメディア露出も多い松岡修造だが、彼のもう一つの功績もまた忘れてはならない。フジテレビ系『くいしん坊!万才』での、11代目くいしん坊としての活躍である。
『くいしん坊!万才』と聞いて誰を思い浮かべるかによって、その人の世代が分かる。1974年に放送を開始した長寿番組だ。年輩の方なら宍戸錠を思い浮かべるだろうし、梅宮辰夫や村野武範、あるいは山下真司という名前を挙げるかもしれない。だが実は、これらの歴代くいしん坊の中でも突出してくいしん坊キャリアが長いのが、現役のくいしん坊である松岡修造なのだ。およそ2年程度でくいしん坊を卒業するというのが通常のところ、松岡修造はなんと西暦2000年からくいしん坊を務めている。
もちろん、そこには理由があるに違いない。これだけ長くくいしん坊を任される松岡修造の一体どこが優れているのか。『くいしん坊!万才』3月16日放送分から3週にわたって確認したところ、ひとつの答えが導き出された。松岡修造の食レポは、彼がテニスから学んだ技術と精神によって成し遂げられている。以下、5つの点に分けて紹介しよう。
(1)正確なラリー
テニスにおいて最も重要なのは、来た球を打ち返すということ。つまりラリーである。松岡修造は出演する一般の方と、会話という名のラリーを実に正確に行う。具体的に言うと、とにかく相手の言葉を繰り返す。たとえば会話の相手が「サザエごはん」と口にしたら「え? サザエごはん!?」と、あるいは相手が「(鍋の)ダシはもうとってある」と言えば「ああ! もうダシはとってある!」とそのまま球を返すのだ。この正確無比なラリーは、松岡修造の特徴の一つだといえる。
番組の性質上、松岡修造と共演するのは多くの場合、一般の方だ。テレビに慣れていない人がほとんどであり、当然のように緊張もしているだろう。松岡修造は彼らの緊張をほぐすように、あなたの話を聞いていますよ、という意味で言葉を返す。会話術の基本ではあるが、このことで相手に与える安心感は大きい。松岡修造はラリーという言葉の繰り返しによって、相手の心の壁を取り払うのだった。
(2)常人離れした集中力
テニスというコンマ数秒単位で戦うスポーツでは、集中力がカギを握る。そして松岡修造は、その集中力を食事に対して発揮する。いちばん肝心なのは一口目だ。いったいどんな味がするのか。どんな歯ごたえで、どんな風味なのか。最も集中力が必要とされる場面である。ここで松岡修造は、必ずといっていいほど、目を閉じて一口目を味わうのだ。
目を閉じて視覚を遮断し、全身の神経を味覚に集中させる。その様子は真剣そのものであり、サービスを放つ直前のテニスプレイヤーを思わせる。多くの場合、食レポとは味を他者に伝えるものではあるが、松岡修造は集中して一口目を味わうということをまず優先する。料理に対して真剣に向き合うというその姿勢は、やはりアスリートならではのものだといっていいだろう。
(3)攻撃的なサーブ&ボレー
松岡修造の現役時代のプレースタイルといえば、攻撃的なサーブ&ボレー。現在はラケットの性質向上によりリターンがしやすくなったことからほとんど見られなくなった戦術ではあるが、『くいしん坊!万才』というコートにおいて松岡修造はこの攻撃的なスタイルを崩さない。具体的に言うと、出された料理をものすごい勢いでかき込むのであった。
とにかく、一口で食べる量が多い。そして、勢いよく口にかき込む。まさに、攻撃的としか表現できないスタイルだ。松岡修造の食レポは決して言葉数の多いものではなく、気の利いたフレーズを口にするわけではない。だが、その勢いよく食べる姿そのものが、おいしさを感じさせる。まさに『くいしん坊!万才』という番組タイトルにふさわしい。小手先で逃げない、正々堂々とした食レポスタイルを、松岡修造は貫いている。
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