年収は200万円ダウン、店舗型風俗はほぼ皆無……「住みやすさNo.1」島根県松江市の残念すぎる現実とは
#島根
経済産業省の調査で、「住みやすさ」1位に島根県松江市が選ばれた。3月28日付の日本経済新聞が報じ、田舎暮らしや移住を夢見る人たちから注目が一気に高まった。だが、当の松江市民に取材すると「とても住みやすいとは思えない」と戸惑う声が……。安倍内閣は「地方創生」を掲げて田舎への移住者誘致に躍起だが、地元の声を総合すると国主導の調査は数字のトリックにすぎないようだ。
経産省調査は、約1万人を対象にしたアンケートのデータをもとに、全国の市区町村別に暮らしやすさを金銭価値で示した。1位の松江市は194万円、2位出雲市、3位江津市も190万円台と、島根県がトップ3を独占した。
データ算出方法は複雑だが、治安の良さ、水や空気のきれいさ、今後30年間に震度6以上の地震が起きる確率、待機児童率、飲食店の集積度、ショッピングセンター、駅、バス停への距離といった、わりとオーソドックスな22項目が採点の基準となっている。
島根県が優勢なのは地震や津波のリスクの低さに加え、保育所の待機児童率の低さ、学校の先生の子どもに対する目の届きやすさといった、日本で2番目に人口が少ないという特性が価値を押し上げたようだ。
一方、松江に住む40代子持ちのサラリーマンは「“住みやすい”だなんて、とんでもない!」とせきを切ったように、疲弊した地方都市の実情を語りだした。
「まず地元企業で働く人の年収は、首都圏の企業と比べると200万円も安い。ハローワークの求人を見ると『飛び込み営業』『看護師』『介護職員』『薬剤師』ばっかりで、職種は限られる。基本的に夫の稼ぎは少ないので、専業主婦になれる人はわずか。妻はバイトやパートで家計を支える。道行く車はそんな女性や、じいさんが運転する軽自動車で混雑している」(同)
近年、島根県の人口は70万人を割り、今も急減し続けているといい、「高校を卒業すると『仕事がない』と県外で就職して戻らないケースが多く、松江の中心部は空き家だらけ。それに1人1台、車がなきゃ、文化的な生活ができない。冬は日本海側特有の気候でクソ寒く、ガソリン代や暖房代がバカにならない」(同)と、恨み節は続く。
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