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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 美少女系殺し屋『A KITE』

ハリウッドを熱くした日本発の18禁アニメって? 美少女系殺し屋のルーツ作『A KITE』が再リリース

kite040303.jpgハリウッド実写映画『カイト/KITE』。両親を人身売買組織に殺されたサワ(インディア・アイズリー)は、娼婦を装って組織に復讐する。

 大友克洋監督の『AKIRA』(88)や押井守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)などの一般アニメがジャパニメーションともてはやされて久しいが、日本のアダルトアニメがハリウッドで実写化されるのは非常にレアなケース。『A KITE』のプロデューサーに製作当時の内情を聞いた。

「それまでのアダルトアニメは女性が陵辱されるものがほとんどだったのに対し、梅津監督の『A KITE』にはきちんとしたドラマがあり、クオリティーの高いアクションがあり、梅津監督独自のカラーセンスが光り、なおかつフレンチノワールを思わせるハードボイルドな世界観があった。もちろん『A KITE』にもエロ要素はあるけれど、エロ主体ではなく、あくまでもドラマとアクションが中心。世界で通用するF1マシンみたいなオリジナル作品を目指そうという意気込みで作られたものなんです」

 ビデオ市場の誕生と拡大と共に80年代~90年代に量産されたアダルトアニメは、前田俊夫原作の『うろつき童子』や『淫獣学園』などが海外でも評判となった。“触手系”と呼ばれる独特な世界観がウケていたようだ。そんな日本発のアダルトアニメの中にあって、実写映画を思わせるリアルなアクションシーンが満載された『A KITE』は特異な作品だった。

「一般アニメに対し、アダルトアニメは日陰の存在。梅津監督は実名で参加したわけですが、一般作と掛け持ちしていたスタッフの多くはペンネームで参加することが多かったんです。ペンネームを使ったといっても、作画に関しては手を抜くようなことは決してなかった。『A KITE』の再リリースとハリウッドでの実写リメイクは、日本のアニメーション産業のレベルの高さが改めて評価されたようで、うれしく思いますね」と先述のプロデューサーは語る。

 『A KITE』の砂羽はアダルトアニメが生み出した孤高のヒロインだが、これからも国境やジャンルを越えてますます妹分を増やしていくに違いない。
(文=長野辰次)

『A KITE/カイト Special edition』
原作・脚本・キャラクターデザイン・絵コンテ・監督/梅津泰臣 
発売・販売/ワールドK R18 4月3日(土)よりブルーレイ&DVDとして再リリース
(c)1998,2000YASUOMI UMETSU/GREEN BUNNY

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『カイト/KITE』
原作/梅津泰臣 脚本/ブライアン・コックス 監督/ラルフ・ジマン 出演/インディア・アイズリー、カラン・マッコーリフ、サミュエル・L・ジャクソン R15 配給/アスミック・エース 4月11日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー 
(c) 2013 Videovision Entertainment, Ltd., Distant Horizon, Ltd. & Detalle Films All rights reserved

最終更新:2015/04/02 22:11
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