東日本大震災から4年「観光バスツアー」で、岩手県の“被災地”釜石市・大槌町を歩いた
2015/03/31 20:00
#東日本大震災
4年目の3月11日から日が浅いということもあり、献花台にはたくさんの花が手向けられていた。これまで再三にわたり盗難の被害に遭った賽銭箱は現在、撤去されている。
バスはその後、防災施設への避難で200人以上の犠牲を出した鵜住居地区を通り、町長以下40人が犠牲となった旧大槌町役場庁舎へと向かう。
大槌町の死者は1,232人、行方不明者は424人(大槌町調べ)。人口の約1割に当たる町民が犠牲となった。人口に占める犠牲者の割合は、宮城県女川町、岩手県陸前高田市とほぼ並び、被災市町村の中でも飛び抜けている。川崎さんも、大槌町に住むいとこを津波で亡くしている。方々探しても遺体は見つからず、結局、200キロメートル以上も離れた宮城県多賀城市で発見されたという。上半身はなくなってしまっていたが、着けていた下着で、夫が本人と確認したそうだ。
「大槌では、いまだに400人ほどの人が行方不明になっているが、いとこのことがあるから、いったいどこまで流されてしまったのか……」(川崎さん)
実際、岩手県で昨年から1年間で新たに見つかった行方不明者は13人。年々捜索は難航し、運よく見つかった骨のカケラ1つを頼りにDNA鑑定を行わなければならない。それも、結果が出るまで1年はかかる。
東北では、人の魂は恐山がある下北半島に行き着く、という考えがあり、最近では“遺体が見つからないなら、恐山へ行こう”という気持ちになる人も増えてきているという。また、遺体が見つかり、故人をきちんと荼毘に付した家族も、どのような最期を送ったのか知りたい、会えるなら会いたいと、恐山のイタコの力を借りるケースも少なくないという。
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