“シブヤコール”がマレーシアを揺らした!! 世界メジャーが「格闘家・渋谷莉孔」を発見した夜
#格闘技 #渋谷莉孔
――言動のユニークさもまた渋谷選手の魅力ですが、試合中、ガードを下げながら進んで行くあのスタイルは、我流ですか?
渋谷 他では見たことがないですね。打って来てほしいんで、「来いよ」って感じで下げてみただけ。それで相手がやりづらいのかも。俺ってホント、“初見殺し”なんですよ。いつも一緒に練習している人はそうでもないだろうけど、初めての人にとっては、変化球過ぎてやりづらいみたいですね。
――あの“ノーガード戦法”は、マレーシアの観客の心を確実につかんでいましたよ。
渋谷 日本と全然違いますね。日本だと、あそこまでのコールは起こらない。俺、外国向けの選手なのかな、って思いましたね。日本人はみんながいいって言わないと乗らないようなところがあるけど、外国人はいいものはいいって感じで、まっすぐに盛り上がってくれる。昨晩も、出待ちとか、すごかったですよ。大会終わって深夜2時ぐらいなのに、病院にまで車で追いかけて来ている人たちも大勢いて、病院出るときの声援がハンパじゃなかった。俺はアイドルか? と思いましたよ(笑)。
大沢 試合中も、誰も渋谷のことを知らない敵地の会場で、数千人が「シブヤコール」ですからね。これは本当にすごいことです。ただし、悔しさのほうが大きい。いい試合をしても負けちゃうと、すぐに忘れられちゃうんですよ。会場に来た人の印象には残るかもしれないけど、そうじゃない人たちは戦績しか見てくれないから、「結局負けたんでしょ?」で片付けられちゃうのが悔しい。
渋谷 いやでもまだこれ、序章なんで。ドラマでいうとまだ1、2話なのに、ゴールしちゃったらつまんないでしょう? 一度は落ちないと。1、2話で打ち切られる奴もいるけど、俺の場合、昨日のファイトで主催者にも観客にも気に入られたはずだから、打ち切りはない。いっぺん負けて落ちてからの展開があったほうがいいでしょう。本当に面白くなるのはこれからなので、まあ、見ていてくださいよ。
チンピラ上がりの格闘家、腕と度胸のタイマン行脚。そのサクセスストーリーはまだまだ続く――。
(取材・文=岡林敬太)
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