『ナイト ミュージアム』ついに完結! 故ロビン・ウィリアムズらに加え、あの俳優がカメオ出演!?
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今週取り上げる最新映画は、夜の博物館でろう人形や骨だけの恐竜が動き出すハリウッド製アドベンチャーコメディー連作の完結編と、70代後半の喜劇俳優が老マラソンランナーを熱演するドイツ映画。いずれも単純な笑いだけでなく、主人公の精神的成長や不屈の挑戦に元気をもらえる快作たちだ。
『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』(公開中)は、真夜中になると展示物が動き出す不思議な博物館を舞台にした、ベン・スティラー主演のコメディー『ナイト ミュージアム』シリーズの第3弾。アメリカ自然史博物館の夜警ラリーは、展示物たちに毎夜命を吹き込むエジプト王の石版が、魔力を失いつつあることを知る。いまや仲間となった展示物が2度と動けなくなるのを防ごうと、石版の謎を解く鍵を求めて、仲間たちや息子ニッキーとロンドンの大英博物館へ向かう。
監督は前2作に続きショーン・レビ。14年に他界したロビン・ウィリアムズ(コミカルな演技さえ感傷を誘う)、オーウェン・ウィルソンら続投組に、ベン・キングズレーらも加わり一層豪華なキャストに。映画ファンを喜ばせるパロディーが満載で、カメオ出演のヒュー・ジャックマンによる『ウルヴァリン』ネタなどは爆笑必至だ。ろう人形やミニチュアフィギュア、さらには恐竜の骨格標本までもが動き出すというアイデアは当初、リアルなCG映像と相まって新鮮な驚きだったが、さすがに3作目ともなると若干マンネリの印象も。とはいえ、数々の騒動と冒険で楽しませてくれたシリーズの完結編にふさわしく、フィナーレは華やかで感動的だ。
『陽だまりハウスでマラソンを』(3月21日公開)は、ドイツの国民的喜劇俳優ディーター・ハラーフォルデンが主演した人間ドラマ。半世紀前のメルボルン五輪マラソンで金メダルを獲得し、今は隠居暮らしのパウルは、妻マーゴの病気をきっかけに夫婦で老人ホームに入居する。退屈で窮屈なホームでの生活にうんざりしたパウルは、何十年ぶりかのランニングをホームの庭で再開。周囲の猛反対にも耳を貸さず、ベルリンマラソンへの挑戦を宣言する。
主演のハラーフォルデンは、今作でドイツ映画祭最優秀主演男優賞を史上最高齢の78歳で受賞した。撮影に備え半年近い走り込みで9キロ減量したというスポ根ぶりは、まさに主人公のキャラクターそのもの。あからさまに笑いを取る演技は封印しながらも、黙々と走る姿や入居者たちとのやり取りに穏やかなおかしみをにじませる。高齢者を支える娘や施設職員ら中堅世代の視点も丁寧に描かれ、幅広い年齢層の観客に現実の問題と照らして考える機会を提供してくれる作品でもある。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』作品情報
<http://eiga.com/movie/79772/>
『陽だまりハウスでマラソンを』作品情報
<http://eiga.com/movie/81397/>
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