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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > “薬物依存症”の田代まさしが……
『マーシーの薬物リハビリ日記』発売記念

ロングインタビュー「“薬物依存症の田代まさし”を、やっと受け入れることができた」

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――出所されてから、どんなプログラムを受けていたのですか?

田代 今でも受けていますけど、「リカバリーダイナミクス」っていうプログラムを週3で。あと、できるだけ夜はミーティングに行く。同じ薬物依存の仲間たちが自分の体験談を話し合う。それに参加するのが、すごく励みになる。自分だけじゃないんだって。ミーティングでしゃべる前には必ず「薬物依存症の○○です」って言わなきゃいけないんだけど、始めた頃はそれにすごく抵抗があった。依存症だって認めたくない。だけど今は、それを素直に言えるようになりました。

――認めたくないと思っていたのはなぜですか?

田代 ダメ人間の烙印を押されているようでね。だけど認めれば楽になる。スッと軽くなった。

――この本を読むと「薬物依存」の本当の怖さがわかる気がします。今までは単純に「怖いもの」としか思っていなかったので。

田代 薬物は意志ではやめたくても、脳が覚えているんです。そうなると、どうにもならない。それが本当に怖い。

――自分が自分でなくなっていくような?

田代 今までハッピーになりたいとか仕事がうまくいくようにとか、そういう気持ちで使っていたのが、そのうち生活のために使うようになってくる。俺はすごいアガリ症で、人前でしゃべるとか、すごい緊張しちゃう性格なんですよ。手も震えるし滑舌も悪くなる。前回刑務所から出て記者会見に臨んだときに、うまくしゃべれない、手も震えてるでしょ。「あいつ大丈夫なのか?」って。逆ですから。クスリ使えば震え止まるし、滑舌もよくなるんだから(笑)。

――それだけ芸能界という場所での緊張感はすごかったんですね。一発勝負の緊張感。

田代 そう、一発勝負のために一発打っちゃった。

――(笑)。売れれば売れるほど、プレッシャーは強くなるものですか?

田代 でもね、そういうこと言うと「そんなクスリに頼らなくたって、頑張ってる人いるでしょ?」って言われちゃうから。でも俺はダメだったな。結構プレッシャーはキツかった。毎日面白いことを言い続けなきゃいけない、みんなの期待に応えたい。

――それがまた緊張につながって。

田代 逆にどんどん硬くなるんだよね。今日ね、テレビで「鈴木雅之デビュー35周年記念アルバム発売」っていうのを見て、あぁこいつスゲエな、35年も歌い続けたのかって思ったんだけど、アレ? 俺も35年かって。2人でバンド作ってデビューして、俺は途中からバラエティの世界に行ったけど。

――バラエティに行ったときは、どういう気持ちでしたか?

田代 歌でコイツ(鈴木雅之)には絶対に敵わないなと思ったんだよね。じゃあコイツに勝てるものはなんだろうと。それが「面白さ」だった。じゃあ俺はそれを追求していこうと。

――なるほど。

田代 鈴木雅之がね、言ったの。「俺は歌で日本一になるから、お前はお笑いで日本一になれ」って。そんな2人が別々にがんばって、またバンドで合わさったらすごいグルーブになるじゃないかって。

――とはいえ、ミュージシャンからお笑いの世界って、ギャップはありませんでしたか?

田代 最初はありましたよ。ミュージシャンのプライドもすごく強かったから。なんでここまでみんなにバカにされたり笑われたりしなきゃいけないんだって。バンドのときにファンだった人は「田代さん!」って言ってたのに、それがいつしか「田代!!」に変わって。おい、田代じゃねぇだろ、田代さんだろ!! ってね。

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