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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > なぜミッチーは“許される”のか?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第85回

なぜミッチーは“許される”のか? 『嵐にしやがれ』で語った、及川光博「イイ男」の原点

51W3l23AEjL.jpg「ダンディ・ダンディ/SAVE THE FUTURE!!」(ビクターエンタテインメント)

 ミッチーこと及川光博が、いつになく精力的だ。歌手デビュー20周年を記念して、約5年ぶりにシングルCD「ダンディ・ダンディ/SAVE THE FUTURE!!」(ビクターエンタテインメント)を発売、さらに映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』(3月21日公開)に仮面ライダー3号・黒井響一郎役で出演という、ミュージシャン・俳優、2つの大きな仕事が重なった。そのプロモーションに音楽番組はもちろん、その強烈なキャラクターゆえバラエティ番組にも引っ張りだこだ。

 『ミュージックドラゴン』(日本テレビ系)では「レッドカーペット歴20年」とレッドカーペットで登場し、「川柳は宇宙だ!」と川柳を詠み、仮面ライダー寸劇を演じていたし、『ユミパン』(フジテレビ系)では照れまくる永島優美アナウンサーを相手に「壁ドン」や「あごクイ」を完璧に決め、『しゃべくり007』(日本テレビ系)では40歳代のおっさんトークを、『さんまのまんま』(関西テレビ)ではさんまと恋愛・結婚トーク。変幻自在でありながら、一貫して「ミッチー」であり続ける姿は驚異的だ。

 思えば、及川光博は不思議で稀有な存在だ。『相棒』(テレビ朝日系)の神戸尊役に出会うまで、長らく代表作といえる役柄もなかったし、代表曲といえるようなヒット曲もない。それでも20年にわたり、及川光博はずっと「2.5次元」的な「ミッチー」というキャラで芸能界を生き抜いてきた。いわば、代表作は自ら「透明な着ぐるみ」(『しゃべくり007』)と称す、「ミッチー」そのものなのだ。

 「本日諸君らの担当教官となった、見ての通りのガルマ・ザビです」

 観客がキョトンとする中、『機動戦士ガンダム』に登場するガルマ・ザビの衣装に扮した及川光博が登場したのが、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)だ。「私物」というジオン公国の軍服に身を包んだミッチーは、どう見てもガルマそのものである。そのコスプレのクオリティは、テレビ用に昨日今日始めたレベルではないことは明らか。事実、ライブなどでは、『サイボーグ009』『宇宙戦艦ヤマト』『ルパン三世』(緑ジャケット)、『ガッチャマン』『ベルサイユのばら』『セーラームーン』(タキシード仮面)などのコスプレを披露。『ガンダム』関連では、シャアを模した「赤い彗星のニャア」というキャラにまでなりきっている。

 コアなアニメファンは、テレビタレントがこうした言動をすると、親近感が湧くというよりも逆に反感を抱くことが珍しくない。だが、なぜか「ミッチーなら許せる」という声が多い。それもまた、ミッチーの稀有さのひとつだ。

 『嵐にしやがれ』はもともと、ゲストである「アニキ」が嵐メンバーにさまざまなことを教えていくという番組。現在はゲストも「アニキ」に限らず、ロケ企画も多くなったが、この日の及川光博出演のコーナーは原点に帰ったように、「ザビ家が変身するとザクになるの?」などと『ガンダム』をまったく知らない嵐を相手に、ミッチーが「人生の参考書」だという「ガンダムに学ぶイイ男授業」をするというものだった。

「みなさん、引かないでくださいよ。いや、引いてもいい!」

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