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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.312

アイドルは「さよなら」の代わりに映画を残した 銀幕越しの温もり『世界の終わりのいずこねこ』

sekainoowarinoizukoneko03.jpg母親は元祖フリーアイドルのルンルンこと宍戸留美。父親は『彗星まち』『たまもの』を手掛けた映画監督いまおかしんじ。ユニークな配役だ。

 アイドルらしからぬネガティブな歌詞を全身全霊の笑顔で歌い上げるイツ子/いずこねこ。そして、彼女の口から「そんな世界さえ愛す」という温かい歌詞がこぼれ落ちる。終末世界でさえ愛してみせるという少女のひと言によって、世界の運命は大きく変わっていく。

 映画はいつかエンドロールが流れ、アイドルはやがて活動を終了する。待っているのは、空っぽで退屈な日常だ。でも、「そんな世界さえ愛す」とイツ子/いずこねこを真似て口ずさんでみる。コドクという長い長い呪縛から解き放たれた自分がそこにいることに気づく。エンドロールを見届け、映画館を出た後の街の風景がほんの少し変わった気がする。そんな世界さえ愛す。もう一度、つぶやいてみる。
(文=長野辰次)

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『世界の終わりのいずこねこ』
監督・脚本/竹内道広 共同脚本/西島大介 原案・音楽/サクライケンタ 出演/茉里(いずこねこ)、西島大介、蒼波純、緑川百々子、永井亜子、小明、宍戸留美、蝦名恵、いまおかしんじ 
配給/SPOTTED PRODUCTIONS 3月7日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
(C) 2014『世界の終わりのいずこねこ』製作委員会
http://we-izukoneko.com

最終更新:2015/03/12 13:21
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