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徹子一日にして成らず

『徹子の部屋』40年の足跡に見る、“超人”黒柳徹子の絶対的な人間愛

51BHak5z+QL.jpg「『徹子の部屋』40周年Anniversary Book」(ぴあMOOK)

 きらびやかな装飾に彩られた「部屋」。そして、きらびやかな部屋の数百倍絢爛豪華なオーラを放ちながらたたずむ女主人、「徹子」。1976年放送開始、日本テレビ史に燦然と輝く『徹子の部屋』は今年40年目に突入する。招き入れた客人の数、延べ1万人、2011年には「同一の司会者による番組の最多放送回数記録」としてギネス世界記録に認定されている。しかし『徹子の部屋』のすごさは、数字や記録にのみあるものではない。このたび、ぴあから発売となった「『徹子の部屋』40周年Anniversary Book」から、この番組が超人的長寿番組となった秘訣を探りたい。それは一人のテレビタレントが、超人的黒柳徹子となった足跡でもある。

 こちらのムック本、表紙の、パンダをチョークスリーパー気味に抱え込んでほほえむドレス姿の徹子が、この本を手に取る者たちを若干威嚇しているが、それにひるんではいけない。巻頭に黒柳徹子本人のスペシャルインタビュー、40年間に登場した全放送ゲストリスト、思い出のゲストプレイバック、スタッフたちの座談会やコメント、『徹子の部屋』ができるまでのドキュメントパート、都市伝説化されているものも含めた『徹子の部屋』トリビアなど、一冊で『徹子の部屋』がこれでもかというほど味わえる。

 まずは、40年を振り返るという壮大なテーマで語られるインタビューから。冒頭こそ「私自身が『徹子の部屋』にいるのを“楽しみにしている”」「人間というのはもともと、いい部分を多く持って生まれているんじゃないかと思うんです。(中略)だから番組を観てくださった方から、ゲストの方について“あまり好きなタイプではなかったのだけど、『徹子の部屋』を観て好きになりました!”なんて言われると嬉しいです。その方のいい部分が出たのかもしれないなって」など長寿トーク番組の司会者らしい発言が続くが、やはり徐々に“隠しきれない超人的徹子”が顔をのぞかせる。

 普段からおしゃべりなイメージがあるためか「新幹線の車内で、知っている方と偶然お会いしたときのことなんですが、“黒柳さんって無口ですね”って。でもこのときは、ただ単にその方と喋ることがなかっただけなんです。だから私、思わず笑っちゃって。だって“私はずっと窓の外を見ていますけど、これは富士山を見ようとしているんですよ”とか“今日の富士山は綺麗かしら”なんてわざわざ口に出して説明しないじゃない?(笑)」と笑いながら“お前がつまんないだけ”発言。しかし、これが嫌味や皮肉に聞こえないところが、徹子の徹子たるゆえんだ。さらに話がモノホンの徹子の部屋(自宅)に及ぶと「何しろ私のおうちは、物が多くて。“クモの巣城”なので」「今は背中を反る運動ができる機械が玄関に置いてあるので、そこで夜中にトレーニングしているんです。気をつけないと“ふん! ふん!”って声を出していると新聞配達の方が通りかかって、びっくりしますから」。なぜ、玄関にトレーニングマシーン、なぜ夜中に筋トレ……。インタビュアーの「生活していれば、どうしても物は増えますしね」という冷静な受け流しに“徹子の部屋ルール”を見た思いだ。

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