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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 秋篠宮家と皇太子一家の光と影 
週刊誌スクープ大賞

“佳子さまフィーバー”は雅子妃批判の裏返し!? 皇室一族の光と影

 月刊誌「サイゾー」(3月号)によると、佳子さんフィーバーが見られ始めたのは09年からだそうだ。佳子さんの制服姿のプライベート写真が、同級生のSNSサイト「ミクシィ」を通じて流出し、その写真をフラッシュ(09年6月16日号・光文社)が掲載したのである。

 そして、決定的なターニングポイントとなったのは10年。当時、学習院高等科1年生だった佳子さんは「かわいい&SEXY」がコンセプトのダンスチーム「KYS(キス)」を結成し、それが文春(11月11日号)に掲載されたのだ。

 学園祭で披露したダンスの写真が載り、アイドルと見まがうような容姿、胸を強調するセクシーなポーズがネットを中心に話題となり、「これ撮った奴にピューリッツァ賞を贈りたい」という声まで上がったと、サイゾーが書いている。

 記事によると佳子さんは「セクシーな腰ふりが魅力」と紹介され、ご学友から「AKBよりかわいい」「エロい~!!」と絶賛されたという。

「そしてこの記事以降、『本当に恋愛禁止の清楚なAKB』という扱いで報じるオヤジ週刊誌が続々と参入するようになる」(サイゾー)

 ネットでも大騒ぎになり、11年になるとスレッドが300本以上に。世が世なら不敬罪に当たるようなわいせつなタイトルのスレッドが、多数を占めるようになったそうだ。

「すなわち10年から11年を境に『かわいい』の域を超えて、男たちの欲望の対象として消費されるようになったのである」(同)

 サイゾーの中で、辛酸なめ子氏はこう言っている。

「佳子さまは、美智子さまのファッションセンス、紀子さまの処世術と社交術、そして秋篠宮さまのフェロモンを受け継いでおられる。アイドルを超越し、誰にも到達できない、佳子さまというひとつのジャンルを確立しておられると思います」

 私には異様とも思われる佳子さんフィーバーは、皇太子妃雅子さんの病気がはかばかしくなく、完全な形で公務に携われないことへの“批判”が底流にあるのであろう。

 文春は皇太子に「55歳のご覚悟をお聞きしたい!」という特集を組み、いろいろな人たちが厳しい言葉を投げかけている。

 東京大学名誉教授の御厨貴氏は、こう言う。

「皇太子が会見などで発信する言葉は、誰に向かって何を言ったらいいのか、はっきりしないという印象を受けます。というのも、皇太子のお言葉には、過去の出来事を反芻するという『歴史回顧』の要素がないからです。歴史との対話が欠如しているので、現代を生き、次代を担う皇太子としての生身の言葉として伝わってこない。(中略)唯一、具体的なエピソードと実感を伴って語られるのは、雅子妃と愛子さまのことだけです。お言葉についての注目がそこにばかり集まってしまうのは無理からぬことでしょう」

 人生で一番美しい時期を謳歌している秋篠宮家の娘たちをアイドルのように追いかけ、持ち上げるメディアの騒ぎを、母親とともに引き籠もりがちな一人娘の愛子さんはどういう気持ちで眺めているのであろう。

 あまりにも一方的な取り上げ方だと憤るのは、私だけであろうか。

 ところで、17年4月にはさらなる消費税再増税が行われるが、そこでは「軽減税率の導入」が決まっている。

 現代によれば、米・味噌・しょうゆや塩・砂糖、肉や魚、卵、野菜などは対象になるそうだが、パンやケーキ、冷凍食品などはまだどうするのか決まっていないという。

 それなのに、日用品とは思われない新聞が、早くもこの対象になることが決まっているというのである。

 読売新聞のドン・渡邉恒雄氏がロビーイングした成果だというのだが、そのために政権批判に手心が加えられていたとしたら、国民はたまったものではない。

 新聞は昨年4月に実施された消費税の影響もあって、この1年で読売は約66万部、朝日が約50万部も部数を減らしている。今度の消費税増税でも大きく部数を減らすことは間違いないから、必死なのであろう。だが、真っ当な政権批判も大企業批判もできない新聞に、読む価値などあるはずはない。部数減は、そうした体制ベッタリの御用新聞に成り下がった大新聞への読者の批判からである。

 それに気がつかないのでは、新聞離れはますます進むこと間違いない。

 さて、ポストのアベノミクス批判がますます冴えている。今週は、大企業だけが持つ巨大な「免税特権」に斬り込んでいる。

 安倍首相が「3本の矢の経済政策は確実に成果を上げている」「昨年、過去15年間で最高の賃上げが実現いたしました」などと吠えているのは嘘だというポストの主張は、今さら書くまでもないだろう。

 私の畏友・高須基仁氏はサイゾーの連載で、安倍のは「言葉のハリボテ」だと喝破している。

 大企業も「日本の法人税は高すぎるから引き下げろ」と喧伝しているが、これも実は嘘で、ポストによれば日本の中小企業を中心に7割以上が法人税を払っていないし、利益を上げている企業でも、実際の税率は非常に低いとしている。

 たとえば、連結決算で2兆4,410億円もの税引き前純利益となったトヨタは「5年ぶりに法人税を納付した」が、実際に負担した税率は22.9%、キャノンが27.6%、武田薬品工業は18.8%でしかない。

 本来はもっと多くの税収があるのに、10兆円ものカネが消えているというのだ。それは「日本の法人税には数多くの税制上の“特典”があり、その中でもとくに不公平で不透明なのが租税特別措置(租特)と呼ばれる特例です」(峰崎直樹・元財務副大臣)。この租特を使って、法人税を大きく引き下げることができるというのである。

 そのカラクリに斬り込んだのが、国税庁OBで税務会計学の権威である富岡幸雄・中央大学名誉教授だ。

「法律で規定されている88項目ある租税特別措置の適用状況(2012年度)を見ると、適用件数が132万3,396件で、それによる減税効果は総額1兆3218億円。しかも、その半分近い47・72%の6,308億円は資本金100億円超の大企業703社への減税だった」

 まさに大企業優遇の制度だ。また、租特の中でも特に減税効果の大きい「試験研究費の税額控除」で、トヨタは約1,342億円の減税を受けているというのだ。

 こうした数々の特典を受けているにもかかわらず、企業はこうしたことを公表するのを嫌がり、既得権としているのだ。

「2年後に消費税を上げるならば、一部の企業に偏った減税である租特にメスを入れて税制の公平を取り戻さなければ国民の理解は得られない」(森信茂樹・中央大学法科大学院教授)

「法人税減税と租特の減税特例を同時に与える不公平税制を極大化させる」アベノミクスは、ポストの言う通り「欺瞞」でしかない。国民はもっと怒って当然だ。
(文=元木昌彦)

最終更新:2015/03/02 17:34
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