地下格闘技からアジア最強舞台へ──「俺は噛ませ犬」渋谷莉孔の“異例すぎる”挑戦に迫る!!
#格闘技 #インタビュー #渋谷莉孔
地下から世界へ、驚異のスピード出世である。昨年9月にパンクラスのトップランカーを破る番狂わせを演じた地下格闘技出身の渋谷莉孔(29)がなんと、今年の3月13日にマレーシアのクアラルンプールで行われるアジア最大の総合格闘技イベント『ONE Championship(旧称ONE FC)』のメインカードでタイトルマッチに挑むことが決まった。プロでの実績がほとんどない“地下格上がり”の選手がONE Championshipに出場するだけでも驚きだが、いきなりメイン、しかもタイトルマッチというのは異例の大抜擢だ。ただならぬ強運ぶりを発揮し続ける渋谷だが、今回の相手は、運だけではどうにもならない最強王者のアドリアーノ・モラエス。果たして勝機はあるのか、ないのか? 「俺は噛ませ犬」と自嘲しつつ、静かに牙を研ぐ渋谷に話を聞いた。
――日本のトップファイター・青木真也らが主戦場とするONE Championshipに、渋谷莉孔が参戦。しかもフライ級王者のアドリアーノ・モラエスといきなりタイトルマッチを行うとの第一報を聞いたときは、失礼ながら、アゴが外れるほど驚きました。
渋谷 自分もビックリしましたよ(笑)。ウソでしょ? こんなことあるの? って。
――昨年9月にTTF CHALLENGE02でパンクラス・スーパーフライ級1位の古賀靖隆を破ったこともビッグサプライズでしたが(記事参照)、その興奮冷めやらぬうちに、飛び級で世界デビューです。いったいどのような経緯で、ONE Championshipへの出場が決まったのでしょうか?
渋谷 スカウトですね。去年の夏、ONE Championshipの代表(ビクター・クイ)がUFCの日本大会を見るために来日し、ついでに東京や大阪のジム回りをしたらしいんですが、そのときたまたま自分の存在が目に留まったみたいです。アドリアーノが強すぎて、対戦相手がなかなか見つからなくて困っていたときに、「あ、ちょうどいい奴がいた!」みたいな(笑)。
――ビクター・クイ代表が視察に来ていた場面を覚えていますか?
渋谷 いや、まったく。なにしろこのジム(渋谷が所属する和術彗舟會HEARTS)、見学者もジム生も外国人がめちゃくちゃ多いですから、今日も誰かしら外国人が来ているなーって感じで、それが誰なのかまではいちいち把握していませんからね。その日にオファーがあったなら記憶に残ったでしょうけど、オファーがあったのはだいぶあとだし。
――いつオファーがあったんですか?
渋谷 最初に契約の打診が来たのは、今年の1月10日ごろです。大沢ケンジさん(和術彗舟會HEARTS代表)のところに連絡があって、大沢さんから「ONE Championshipから選手契約の話が来ているけど、どうする?」と聞かれたんで、「やります!」と即答しました。前から外国に行きたいと思っていましたから。で、そのときはまだ対戦相手が決まっていなかったんですけど、契約書にサインして渡したら、後日、日本のエージェントから「とんでもないことになりました! アドリアーノ・モラエスとメインでタイトルマッチです!」っていう電話がかかってきたんですよ。
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