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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > とんねるず石橋貴明に意外な一面?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第84回

森三中・黒沢大号泣! 『みなさんのおかげでした』が見せた、石橋貴明の意外な一面

 そのことについて男性芸人に相談しても「いいじゃん、鬼奴に合ってるよ」「鬼奴が稼げばいい」などと芸人ノリで返される。だが、目の前の貴明は茶化さずに「鬼奴さん、(佐藤の借金を)全部把握してるの?」「結婚なんかしちゃったら、自分のほうに(借金が)来ちゃうよ」「本当に怖いのは突然売れた時」などと真剣に相談を聞いてくれる。

「タカさんが真剣に聞いてくださって、すごいうれしいです」

と、自分のことのように感謝する黒沢。そして貴明が「(佐藤は)バイト辞めたほうがいいんじゃないかな。借金を返すためのバイトなんでしょ? 彼がやらなきゃいけないのはネタを作って売れなきゃダメでしょ」と諭すように語ると、鬼奴が「バイト辞めろって言ってくださる方はいなかった」と涙ぐむ中、なぜか黒沢は鬼奴以上に大号泣するのだ。

「なん……、何……、あの……、あの……うれしいっす!」

 口ごもりながら懸命に自分の思いを伝える黒沢の姿はおかしくも美しく、そして感動的だった。感極まった黒沢は、自分の番でないにもかかわらず、自分の悩みを吐露し始めてしまう。

「自分たちは中途半端な年齢になってきて、先輩も後輩もいっぱいいるし、この先どうなっていくのかな? って。クソッていう気持ちもなくなってきちゃって、ダラダラ流されるようにこの世界で生きてて、自分がなんの目的でこの世界に入ってきたのかが分からなくなっちゃって。その時にカラオケで歌うのが(とんねるずの)『一番偉い人へ』です、っていうのが一番言いたかったことです!」

 ほかの4人とタイプが違う、恋愛経験豊富なミラクルひかるが入っているバランスも絶妙だった。

 貴明が「突然売れた時に『じゃあな、鬼奴』って言われる可能性がある」と危惧した時、ミラクルはしたり顔で言うのだ。

「でもその時は、女として1ランク上がった時ですよ」
「黙れ、ババア! どのポジションで言ってるんだよ!」

 そんな言葉に大久保が激高しても、構わず平然とミラクルは続ける。

「だけど、いま彼を愛せるのは鬼奴さんだけなんで、マジ、頑張ってください」

 「石橋温泉」は悩みを吐露する女芸人たちはもちろん、貴明の意外な一面を垣間見ることのできる。この企画をはじめ、『とんねるずのみなさんのおかげでした』はコンスタントに新機軸の企画を打ち出し、とんねるずの新たな顔をのぞかせ続けている。彼らは大御所となった今でも、とても精力的で、どの若手芸人よりも挑戦的に見える。まさに「一番偉い人へ」で歌ったように、「俺たちは今何をするべきか?」とテレビの中で問い続けているようだ。

 次週も続くという「石橋温泉」。その予告で黒沢は、多くの芸人たちの思いを代弁するように訴えていた。

「タカさんが生きてるうちに、聞かなきゃいけないことがいっぱいある! まだ死なないでください!」
(文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>)

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから 

最終更新:2019/11/29 17:49
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