祝優勝!じゅんいちダビッドソンは「『R-1』優勝しても売れない」を覆せるか
#お笑い #R-1ぐらんぷり #じゅんいちダビッドソン
2月10日、ピン芸日本一を決める「R-1ぐらんぷり2015」の決勝が行われた。決勝は、予選を勝ち抜いた9人に敗者復活戦から勝ち上がった3人を加えた12人で行われ、サッカー日本代表の本田圭佑のものまねで知られるじゅんいちダビッドソンが二度目の決勝進出で優勝を果たした。
出場芸人たちは皆、この大会に照準を絞って、1年かけてネタを磨き上げてきている。だが、そんな彼らの熱意とは裏腹に、「R-1」という大会そのものは年々苦しい状況に追い込まれてきている。そもそも、毎年行われているのに、大会自体の認知度がなかなか上がらない。世間では誰が優勝したのか覚えられていないことが多いし、優勝者がその後テレビにたくさん出て売れっ子になるとも限らない。昨年(2014年)の大会では、史上最低の7.2%(関東地区)という視聴率を記録してしまった。今年の大会では東洋水産も冠スポンサーから降りてしまい、「R-1」は興行としても窮地に立たされていたのだ。
にもかかわらず、そんな中で行われた「R-1ぐらんぷり2015」は、例年にない盛り上がりを見せた。ここ数年でも最もレベルが高く、視聴者の満足度も高い大会になっていたのではないだろうか。大会が盛り上がったのはもちろん、出場する芸人や出演者、制作スタッフの力によるものだ。ただ、それだけではなく、複合的な要因が組み合わさった結果、ちょうどいい形の大会になっていたのではないかと思う。
世間では「R-1で優勝しても売れない」などとよく言われる。こう言われてしまうのは、「R-1」でチャンピオンになり、そこから飛躍的に仕事を増やしてきた例が過去に存在しているからだ。ほっしゃん。、博多華丸、なだぎ武の3人はその例に当てはまる。だが、その後の「R-1」では、優勝者が必ずしも飛躍的に仕事を増やすとは限らなくなってきている。そして、そうなってからの「R-1」の歴史もかなり長くなってしまった。
その結果、出場する芸人の側にもこの大会を応援するお笑いファンの側にも、ある程度のあきらめの感情が生まれてきた。優勝したからといって、必ずしも爆発的に売れるとは限らない。状況が一気に変わるとは限らない。それでも、この大会には意味がある。そう思う人だけが「R-1」に出ているし、「R-1」を楽しみにしている。いわば、ゼロ年代後半にあった熱狂的なお笑いブームが一段落して、「R-1」の注目度も下がり、「R-1」で売れるという神話も崩壊していく中で、出る側も見る側もあきらめの境地に達したことで、いい意味で肩の力が抜けて、素直に大会そのものを楽しめるようになってきたのだ。
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