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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 妖怪ウォッチ、海外進出の勝算は

『妖怪ウォッチ』は第2の『ポケモン』になれるのか――海外展開成功のカギは「ジバニャン」の扱い方!?

マット そうですね。どういうふうに訳せばいいのかと考えだしたらきりがありません。例えばゲームソフトや漫画を翻訳するより、キャラクターの名前を翻訳するほうが難しいと思います。一つのキャラの名前を考えるだけで何日間、何週間とかかります。広告のコピーみたいなものですね。ローカライゼーションというのは、対象となる聴衆の文化に合わせて行うものなんですが、こういう日本的なコンテンツであれば日本的なネーミングを守ったほうがいいと僕は思います。もちろん裏にはクライアントさんの事情とか、パッケージを変えることができないとか、いろんな理由がありますから、それに合わせて仕事をするというのは当然ですが、もし例えば僕が仕事をするとしたら、特に「ジバニャン」はそのままの名前にすると思います。

──実際に日本のサブカルチャーを翻訳されているアルトさんから見て、日本語の特異性って、どういうところだと思いますか?

マット 日本語はちょっと詩的です。いい意味で、あいまいなところがあると思いますね。英語は移民の国の言語だから、文化が違う人でも会話できるように進化してきたんですけど、日本は基本的にほとんど他民族の出入りがない国だったので、日本語は文脈が分からないとコミュニケーションが取れない言語になっていったんです。「行く?」「行く行く!」とか、「例のアレ」とか英語だと会話として成立しないです。訛りとかはあるんですが、基本的に日本人なら誰でも通じるじゃないですか。それは素晴らしいところではあるのですが、ローカライズをする際に大きな課題となります。そういう意味では、日本独特の言語感覚でネーミングされた妖怪が多数登場する『妖怪ウォッチ』の海外展開は、伝統的な日本のコンテンツが海外ではやるかどうかのテストケースになるのではないでしょうか。アイルランドにはレプラカーンがいて、アイスランドにはエルフがいて、イギリスにはフェアリーがいる。東ヨーロッパにはヴァンパイアがいます。そこに妖怪がラインナップされると面白いですよね。
(取材・文=有田シュン)

●アルトジャパン<http://www.altjapan.com/jp-index.html>

最終更新:2015/02/12 11:11
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