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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『クレしん』映画、なぜ泣ける?
第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞記念インタビュー

『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』高橋渉監督が明かす、『クレしん』映画が泣けるワケ

sub04_largerobo.jpg(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014

――昨年はこの『ロボとーちゃん』と、同じくシンエイ動画製作の『STAND BY MEドラえもん』(山崎貴監督)が大ヒットしましたが、どちらも「大人も泣ける」と言われた作品でした。

高橋 いろいろとあざといなぁって思ってましたけどね(笑)。憎々しく思ってるわけではないのですが、今作は笑いで勝負したい気持ちがありましたので。でも、そういう映画は自分も大好物なもので……。悔しくもあり、うれしくもありです。

――『クレヨンしんちゃん』は泣かせようとしているわけではない、と?

高橋 そうですね。企画の段階から泣ける作品にしようという話は一切出ていないです。でも、絵コンテが完成に近づくにつれて、「ロボひろしとひろしの結末をどうするんだ、真剣にぶつかるしかない」ということで、ああいう形になった。いわゆる感動シーンみたいになっていますが、最初から想定して作ったものではないんですよ。悲しすぎて、拒否反応を示される方もいるだろうとは思いましたが。そこは覚悟していました。

――結果、感動したという声が圧倒的でした。キャラクターの力もありますね。

高橋 長期にわたる漫画、テレビのシリーズでみなさんに親しまれたキャラクターを真っすぐ真剣に描いてあげたいと思っていました。どんな悲しいことにもめげない、力強いキャラクターを生み出した臼井儀人先生のおかげです。

――高橋監督は、もともとアニメ業界を目指していたわけではないそうですね。

高橋 もともとは映画のスタッフになりたかったんです。子どもの頃は周りの友達と同じように、サンライズのロボットアニメや『タイムボカン』などを見ていましたが、中学生ぐらいでアニメは卒業して。高校卒業後は、実写映画の編集技師になろうと映画学校に入りました。裏方として映画のクオリティを高めたいと思っていたんです。

――当時は、どういう映画を作りたいと思っていたんですか?

高橋 小学生ぐらいの頃に見ていた80年代のハリウッド映画が、いまだに好きなんですよ。ハッピーで楽しい、派手なギミックのあるエンタテインメントが好きというのは変わらない。これからもそういう映画を作っていきたいなと思っています。

――シンエイ動画に入社されて直接関わることになった原恵一監督(9作目『モーレツ!オトナ帝国の野望』、10作目『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を監督)と、水島努監督(11作目『嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード』などを監督)の存在はどのようなものですか?

高橋 毎年恒例のプログラムピクチャーでありながら、挑戦心あふれる映画でしたね。スタッフとして両監督の作品に関わっていましたが、当時の現場は両監督の熱気にあてられて、躁状態だったと思います。内容も結果も良くて、業界歴が浅い自分に、ある種のピークを経験させてくれた両監督を尊敬しています。当時はなかなかコンテをあげてもらえなくて、恨み節ばかりでしたけど。

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