リアル「バベルの塔」!? 増改築ブームの中国で横行する、ヤバすぎる違法建築
#中国
改革開放以降、香港への玄関口として、小さな漁村から高層ビルが立ち並ぶ大都市に変貌した広東省深セン市では、土地不足が深刻化している。1月14日付のポータルサイト「騰訊」の報道によると、そんな中、違法増改築がブームとなっているという。
市内の龍華地区にある豪奢な別荘エリアでは、多くの別荘オーナーたちが地下に、ワインセラー、ジム、映画館、マージャン部屋、プール、家政婦の部屋などを、行政から許可を得ていない工事業者に依頼して造っているという。
また、地盤沈下の危険性を度外視し、地下2階まで掘り下げたり、屋上に庭園や池を造る別荘も少なくない。
こうした違法建築を請け負っている業者によると、地下室を1部屋造るのに平均950~1,080万円で請け負っているという。別の関係者の話では、別荘の管理会社に数万元の金を払えば、工事の許可が出るという。記者が、別荘のオーナーを装い管理会社に話を聞いたところ、違法増改築をしている別荘があることは認めたものの、金銭を受け取っていることは否定した。いずれにしても、法律に依らない違法増改築が危険であることは間違いない。
危険な違法増改築は、中国全土で蔓延している。2013年にネット上で「最もヤバイ違法建築」として有名になったのは、北京にある26階立ての高層マンションの屋上に造られた超巨大庭園だ。これは、07年から6年かけて造られたもので、同じマンションに住む住人からは、騒音やマンションの壁の亀裂などでたびたびクレームを受けたが、あきらめることなく造り上げたという。
また、河南省鄭州市には、4階建ての古びたビルの屋上に、7棟ほどの家屋が増築され、小さな街を形成することとなった。
まさに、「バベルの塔」とならないことを祈りたい。
(文=井上嘉久)
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