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日刊サイゾー トップ > 海外  > 「民泊」ブームで都民住宅を悪用?

ナマポ騒動の再来か 中国人「ネット民泊」ブームで、都民住宅が悪用されている!?

airbnb.jpg「Airbnb」より

 日本政府観光局の発表によると、2014年に日本を訪れた外国人が、過去最多の1,341万4,000人に達した。アベノミクスによる円安や5年後に控える東京五輪などを追い風に、訪日外国人数は今後も高い水準をキープするものとみられる。

 そんな中、ホテルや旅館ではなく、日本の一般住宅に「民泊」する訪日外国人が増えている。背景にあるのは、部屋や寝床を提供するホストと宿泊者をつなぐ仲介サイトの存在だ。ホストは物件に関する情報や宿泊費、条件をサイト上で提示。宿泊者は、一般のホテル予約サイトと同じように予約と決済をサイト上で行うことができる。
 
 数ある仲介サイトの中で最大手なのが、アメリカ発の「Airbnb」。同サイトの国内登録物件は、14年9月時点で4,000件と前年同時期の3倍に達しており、宿泊者数も前年同時期の5倍に増加しているという。

 しかし一方では、「『宿泊料を受けて人を宿泊させる営業』には許可が必要で、旅館業法違反になる可能性がある」と指摘する向きがある。また、急速に普及する民泊は、旅館業法以外の法にも抵触する恐れがあると指摘されている。
 
 都内在住の男性会社員(34歳)は話す。

「興味本位で、中国の検索サイトで自分の住んでいる町名を検索したら、『一泊4,000円』『中国語可能』という情報がヒットした。付近に宿泊施設はないはずなので、不思議に思ってよく見たら、紛れもなくうちのマンションの写真が掲載されていた。いつも違う中国人風の若者が、大きなキャリーケースを引いて出入りするのをよく目にしていたので、常々『なんだろう?』と思っていたんですが、うちのマンション内に宿泊施設が存在していたとは……」

 問題は、この男性が住むマンションは、都民住宅である点だ。

 都の全額出資による特別法人・東京都住宅供給公社が運営する都民住宅は、類似条件の一般物件と比べて家賃は割安、礼金や仲介手数料、更新料もないという特徴がある。さらに入居者の収入状況に応じ、最大で月額4万円程度の家賃補助が受けられるのだ。都民住宅は、公営住宅同様、福祉政策の一環として供給されている。なお、全国にある府県営住宅も同様だ。

 そんな都民住宅を又貸しして対価を得る行為は、旅館業法違反以上に違法性が高い。もちろん都民住宅の規約では、マンション内での営業行為は禁止されている。

 筆者がAirbnbでざっと確認したところでも、都民住宅や県営住宅、さらに公営住宅の一室で営業しているとみられる物件が、20以上存在した。ちなみにそれらの物件のホストは、日本人と思われるものがほとんどだった。

 こうした「闇宿」のせいで、本当に必要な人に低賃料の住宅が行き渡らないとしたら、ナマポ問題同様、由々しき事態である。
(文=牧野源)

最終更新:2015/08/27 12:23
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