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週刊誌スクープ大賞

『殉愛』幻冬舎が「酒鬼薔事件」少年Aの手記出版を画策? 遺族父が嫌悪感

 新潮が、幻冬舎が1997年に世の中を震撼させた少年Aの手記を出版しようと企図していると報じている。

 神戸市須磨区で小学生が相次いで襲われ2人が死亡し、3人が重軽傷を負った事件だ。土師淳君(享年11歳)殺害容疑で当時14歳の少年Aが逮捕されたが、医療少年院に収容された後、2004年に仮退院している。

「出所後は、法務省OBの人間を中心におよそ10人の支援チームが結成され、彼の生活を支えてきました。現在でもサポート役がそばにおり、被害者の命日には毎年手紙を送っていますが、直接対面しての謝罪は、いまだ果たせていません」(さる司法関係者)

 土師君の父親は、(出版のような)商業ベースでやることではない、まずは少年Aが自分の言葉で私たち家族に対して返事をしてくれればいいことで、その内容を人に見せないのは当然の礼儀だと話す。

 一方幻冬舎の見城徹社長は、新潮のインタビューにこう答える。

「万万が一、予定があるとして、出したらいけないの? 彼は残虐な殺人を犯したけれど、法に従って少年院に入って、反省して出てきているわけでしょう。新たに犯罪を犯してもいないのに手記がダメなら、何のための法律ですか」

 そう言いながらも、戸惑いは隠さない。

「遺族だ、被害者だって言うけれど、屁理屈だよ。元少年は毎年遺族に手紙を書いているわけだし……。君たちだって、いちいち被害者に取材しないでしょう。大体、手記を出したところで、売れないって」

 売れないかもしれないが、話題にはなる。話題優先の出版社だけに悩ましいところであろうが、私だったらやめておく。

 今週の5位は文春の記事。東京証券取引所に上場している大企業225社(日経平均採用銘柄)を対象に、内部留保の額ではなく、安倍政権が発足した12年からの「2年間の内部留保の増加額」を文春が調べてみたそうだ。

 その上で上位50社を対象に、保有するキャッシュ(現預金+換金性の高い有価証券)の増減を調べ、内部留保が増え同時にキャッシュが増えていれば、賃上げ余力がより高いと考えたという。

 結果は予想通りで、内部留保が増えた企業としては自動車業界が目立ったそうだ。またメガバンクも上位を占めた。

 やや異色なのは、6位にソフトバンクが入ったことか。内部留保とキャッシュが共に1兆円以上増えた。しかし、有利子負債が10兆円もあるから、単純に利益が蓄積されたとはいえないと、金融担当記者が言っているが、その通りであろう。

 過去2年間の内部留保の増加が1兆円以上増えた企業を1位から挙げてみよう。トヨタ自動車、三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、三菱自動車工業、ソフトバンク。それ以降は本田技研工業、KDDI、日産自動車、東海旅客鉄道、日本たばこ産業、NTTドコモと続く。

 だが、内部留保が増えたからといって、そこで働く人間たちの給与がすんなり増えているわけではない。安倍首相はアベノミクスで得られた利益を、賃上げやコスト高騰に悩む取引先企業への単価に適切に反映してくれと大手企業の経営者たちに言うが、まだまだ道遠しのようである。

 これも朝日新聞1月23日付の藻谷浩介日本総研首席研究員の言葉だが、付記しておきたい。

「『日本では金融緩和が内需を拡大させない』ことをこの20年の現実から学び、中小企業に賃上げを可能ならしめる政策を工夫することこそ、本当の経済成長に向けた第一歩である」

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